こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
Question
「上手いベースの基準って何なんでしょうか?」
どうして毎日ベースを練習するのか。
その答えはもちろん上手くなりたいからだと思います。
では上手いとは何なのか。
何を持って「上手い」ということなのか。
そのビジョンが定まっていないと、闇雲に練習しても空を掴むようで成長を感じられませんよね。
今回の記事では、「上手いベース」の基準についてお話してみたいと思います。
【本編の前に】
「ベースが下手に聴こえる理由」を先に知っていないと、いくら上手くなるための方法を追求してもベースは上達しません。
まずは下手に聞こえる要因を取り除くところから始めて、上手くなるための土台を固めましょう。
「ベースが下手に聴こえる理由」を先に知っていないと、いくら上手くなるための方法を追求してもベースは上達しません。
まずは下手に聞こえる要因を取り除くところから始めて、上手くなるための土台を固めましょう。
「上手いベース」の基準とは
Victor Wooten先生のソロを完コピできる、とか。
フレットを上下しまくる高速フレーズを自由自在に弾ける、とか。
正直そんな芸当ができるとかできないとか、そんなことは上手さの基準とは全く関係無いと思っています。
上記の話は、どちらかというと「凄さ」のステータスに関わってくる内容です。
勘違いされがちですが「上手さ」と「凄さ」は別物です。
では「上手いベーシスト」かどうかの判断材料になる基準とは一体何なのか。
支配力
ズバリ、それは「支配力」の有無です。
諸説ありですけど。
僕はそう考えています。
その「支配力」の中身は問いません。
- 技術
- 容姿
- 洗脳
どんなものでも良いでしょう。
支配力を持っているプレイヤーは、どんなジャンルであっても「上手いなぁ」と感じます。
例えば。
観客の手拍子を裏拍に誘導するのはベースの仕事です。
場のグルーヴを支配できるのは、ベースの特権です。
▶︎ベースのグルーヴを鍛える!ノートの長さを意識する練習をしてみよう
例えば。
観客を釘付けにさせるのはステージに立つ者の仕事です。
お客さんの心を支配できてこその、バンドマンです。
「必要な場面で必要なことができる」これが支配力に繋がります。
適切なタイミングで正しく音を出せること。また、正しく音を止めること。
ファンに夢を見せてあげられること。誰かの目標・憧れになれること。
何度も言いますが、難しい高速スラップができるとか、高級な機材をたくさん使いこなしてるとか、そんなことは「上手さの基準」とはあんまり関係無いです。
大切なのは、必要な場面で必要なことができること。
それが上手いベーシストの演奏です。
「ドラムがいない場面でも、しっかりビートを刻んでバンド全体を支えてあげられる」とかね。
必要な場面で必要なことができるベーシストを目指しましょう!
説得力
場のノリをコントロールする力。
観客に好かれる力。
上記の2つを共存させるのは、実はとても簡単です。
「説得力」を身につけましょう。
ベーシストとして、ベース(土台)の役割を全うできることこそが「上手いベース」の条件です。
絶対的なリズム感を以ってすると、場の空気をコントロールすることができます。
揺らぐことのない安定感で、人々を自分の世界に引き込むことができます。
ベースが上手くなりたいと思うのなら、難しい小手先だけの技術なんて必要ありません。
まずはベース(土台)に必要なリズム感を身につけてみましょう。
確かな仕事は信頼に変わり、信頼は説得力へと変わっていきます。
ベースが上手く聞こえる技術について
一応、技術的なお話も書いておきましょうか。
当然ですが、まずはリズムの波が安定していること。
上の項目の通りですが、ベースはあくまでリズム楽器です。
その根本であるリズム感を磨きましょう。
極論を言うと、リズムさえ安定していればどんな変な音使いで演奏しても上手く聞こえます。
▶︎1日5分!現役ベース講師が選ぶ最も効果的なメトロノームの使い方とは?
上手くなるためには、リズムトレーニングは必須!
上手いベーシストは必ずメトロノームとお友達です!
そのリズムの波の中で、正しいタイミングで音を止められること。
ベースという楽器は、発音のタイミングよりも消音のタイミングのほうが重要です。
音符1つあたりの長さ目一杯まで音を伸ばせるようになると、かなり上手に聞こえます。
▶︎ベースのグルーヴを鍛える!ノートの長さを意識する練習をしてみよう
上手なベーシストは皆、音を切るタイミングが完璧!
無駄のない運指ができることも、もちろんスムーズなプレイングには欠かせません。
それぞれの音がブツ切れになっていたり、タッチノイズが目立ったりしていませんか?
リズムの波を乱すような演奏を避けると、上手く聞こえます。
▶︎ ベースの運指問題!指板から指が必要以上に浮いてしまうときの矯正練習
効率的な運指を心がけましょう!
そして、 自分の仕事を弁えていること。
フロントに華を持たせるために、自分を抑制させることができますか?
出しゃばりが過ぎるベーシストは、ただの「低音うるさいマン」です。
自分と周りとの兼ね合いを読んで演奏に緩急がつけられるようになると、とても上手いベーシストに見られます。
上手いベーシストは、一歩引くことを知っています!
なによりも自信を持って、楽しんで弾くこと。
おっかなびっくり遠慮がちに弾いている姿には、支配力も説得力も生まれません。
ノリノリで体全体を使って自信満々に演奏するだけで、とっても上手に見えてきます。
▶︎初めてのライブが怖い!自分の演奏に自信が持てない人に読んでほしい記事
ベースの演奏が上手く聞こえる人の最大の特徴は「みんな楽しそう」という点だと思います!
と、いろいろ書いてみましたが。
いずれも「必要な場面で必要な仕事ができる」という条件を満たしていなければ何の意味もありません。
何はともあれ、まずはリズム感です!
対応力
筆者の場合は、仕事として演奏の依頼を頂くようになってからは「対応力」を大切にしてきました。
デュオの演奏や、お客さんとの即興セッションなど。
「この人を主役として立たせるためには」ということを、いつも考えながら演奏しています。
例えば。
リード楽器さんがソロを弾いた時、音圧が浅くなるようであれば僕はコード弾きにシフトします。
歌モノのバッキングで単調な刻みが続くようなら、僕は少し音数を増やしたフレーズを挟み込んだりします。
「今、求められていることは何か」をしっかり把握できること。そして演奏で応えられること。
こんな感じの対応力も、周りに評価される演奏には必要だと思っています。
上手さの比較相手を間違えないで
楽器の上手さとは競うものではありません。
誰が上手いとか、誰が下手だとか。
そういうものを気にしている時点で、音楽の本質を理解していないんじゃないかなと思います。
人には人の美学があって、人には人のビルドがあるわけです。
どの音楽がいいとか、どの音楽がダメとか。
そんな中身の無い議論を繰り広げても無意味です。
「どの音楽が好きか」「誰の演奏が好きか」
それだけでいいんじゃないかなと思います。
▶︎現役ベース講師が語るレッスン教室の正しい選び方!良い先生と悪い先生の違いとは?
「Aさんと比べてBさんは下手」とか、そんな低次元な考え方では勿体無いです。
比較するなら、1週間前の自分と比較してみましょう。
「自分以外の人を基準として相対的に優劣をつける」
これはねー、音楽に限らず人生においてとっても損な考え方だと思います。
基準が自分中心じゃないなんて可哀想です。
「過去の自分を基準として現在の自分の実力を測る」
このほうがよっぽど有意義だと思いませんか!
他人に依存しない考え方な上に、自分の成長を正確に判断することができます。
「必要な場面で必要なことができるベーシスト」他の誰にも振り回されずに、これを目指していただきたいです。
「それができるようになるためには、どうしたらいいの?」
その応えは、常にこのBASS NOTEの中に用意しています。
ベースライフで立ち止まることがあれば、いつでも遊びにきてください!
他人から見た自分の技量なんて関係ないです。
過去の自分から見て「ベースが上手い」状態になり続けることが大切です!