
こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterのほうでたくさん要望をいただいたセッションについて。
12小節1回しのコード進行を覚えるだけで、世界中の音楽家たちと即興で演奏を楽しむことができるようになります!
初めて会った人との即興アドリブセッション、憧れますよね!
実は簡単な共通言語を1つ知っていれば、セッションは誰でもできるようになるんです。
みなさんも、この記事を読み終える頃には誰とでも即興でセッションができるようになるはず!
「アドリブなんてやったことないよ!」という方でも大丈夫です!
誰でも即興セッションができるようになる裏技を順序立てて伝授します!
「初対面の人と即興でセッションできるようになろう!」
というのが今回の目標です。
一緒に勉強してみましょう!
セッションって何を弾くの?

例えば。
「誰でも歓迎!」みたいなセッション会に参加した時に
なんて流れになるでしょうか。
答えは
否。断じて否。
95%以上の確率で、それはありません。
「偶然にも全員が弾ける!」なんて場合も稀にあったりするんですけどネ。
「じゃあ、セッションって何を弾くの?」
初対面の方とバーやスタジオで「ちょっとジャムってみようぜ!」なんて流れになった時には
- 1コード 1発
- 3コードブルース
- セッション定番曲
この辺りの選択肢が鉄板中の鉄板になります。
とくに「3コードブルース」は世界共通言語です!
今回の記事では、最も汎用性の高い3コードのブルースに焦点を絞って解説していきます。
3コードブルースの例
映画「Back to the Future」の中でも、主人公のマーティが
“This is a blues riff in B. Watch me for the changes and try and keep up, okay?”
(Bのブルースをやるよ、様子を見ながらテキトーに付いてきてね!)
とバンドメンバーに声をかけて、即興でChuck BerryのJohnny B.Goodeを演奏するシーンがありますね。
あのセッションができたのは、Johnny B.Goodeが典型的な「3コードブルース」の構成だからです。
ブルースが弾けるのは、ミュージシャンとしては常識!
僕も初対面のメンバーと音出しをするときなんかは、やっぱりブルースを弾くこと一番多いです。
セッションの基本はブルース!
ちなみに映画BTTFのこのシーン、映像のマーティはKey=Bで演奏しているのに音声はKey=B♭で鳴っています。
大好き〜!
ブルースとは

ブルースとは、I度・IV度・V度の主要三和音で構成された12小節1回しで成り立っているコード進行(の楽曲)のことを指します。
「I度を4小節、IV度を2小節、I度に戻って2小節、V度、IV度、I度に還って最後にV度」
ずーーーっと、この進行を繰り返すのがブルースのセッションの基本です。

実音で表記すると、こんな感じ。
大丈夫、全然難しくないですよ!
次の項目でもっと分かりやすく解説しています!

2小節目にIV度に飛ぶ進行や、あちこちにII-V-Iの進行が混ざる形など、ブルースにもいろんなアレンジパターンがあるんですけども。
基盤になるのは、上記の構成のコード進行です。
ここまでのコード進行表を見て「………?」となってしまった方は、下記の関連記事の内容を参考にしてみてください!
音楽理論の基礎について、初心者向けに解説しています!
Key=Aのブルース
今回はわかりやすいように、Key=Aで解説します。
弦楽器同士のセッションだと、開放弦が使えるKey=AやEで演奏されることが多いのもブルースの特徴です。

こんな感じの表記になりました。
こういう雰囲気のサウンド、一度は聞いたことありますよね!
え、ないですか!
じゃあ今覚えてください!
このコード進行を丸暗記しちゃいましょう!
この3コードで一生遊べます!
Key=Aのブルースはまさに世界標準言語なので、YouTube上にもセッション練習用のバッキングトラックが無数にアップされています。
初対面の即興セッションでは定番中の定番ですね!
ブルースのリズムについて
ブルースの練習の前に、少しだけブルースのリズムについて触れておきましょう。
ブルースは、基本的にはシャッフル系の跳ねたリズムでプレイされます。
動画サイトでバッキングトラックを探してみても、シャッフル系のものが多いんじゃないかなと思います。
ファンク系だと16ビートになったり。
先ほどのJohnny B.Goodeのようなロックンロール系だと8ビートになったり。
その幅は多彩なので一概には言えないんですけど。
セッションに参加すると、やっぱりシャッフル系のリズムで演奏されることが圧倒的に多いです。
ブルースはあらゆる音楽の起源にあたるジャンルなので、様々なリズム形態で演奏されます。
ブルースを一発で弾けるようになる裏技

「理論派ベーシスト育成計画」を事前にクリアしている方なら、上記のコード表を見ただけで一発で弾けるはず!
次の項目に進んで、バッキングトラックを聴きながら演奏の練習をしてみてください。
そうでない方は、裏技を使ってみましょう。
その名も
マイナーペンタトニックスケール
皆さんは知っていますか?
Aマイナーペンタトニックスケール


どんな場面でも大体乗り切れちゃう魔法のスケールです。
とりあえずマイナーペンタ!
困ったらマイナーペンタ!
何が何でもマイナーペンタ!
一度使い方を覚えると、便利すぎて依存症になってしまう汎用スケール。
今回はこのマイナーペンタに頼ってみましょう。
マイナーペンタ強化Ver.


こちらが僕が普段使っている「マイナーペンタ改」です。
「ブルーノートスケール」なんて呼ばれる代物です。
通常のマイナーペンタトニックスケールに
- 差し支えのない2th
- ♭5thのブルー・ノート
の2音を足した強化Ver.です。
マイナーペンタにこの2音を足すことで、とってもブルージーでお洒落な雰囲気を醸し出すことができるんです!
動画とセッションしてみよう!
YouTubeのGuitare Improvisationさんのチャンネルから、Key=Aのブルースのバッキングをお借りしてきました。


上記の8音だけをテキトーに弾いてみましょう!
スケールを上下になぞるだけでも、音の順番を入れ替えてみても構いません。
オクターブ上の音を使ってみるのも、もちろんOKです!
12小節の流れが体に刻み込まれるまで、何周も練習を繰り返しましょう!
ブルースについてもっと理解を深めよう
3コードブルースについて

ジャズブルースについて

まとめ
「マイナーペンタ改」、最強です!
この原理を理解してから、ベースラインの理解も劇的に進みました!
霧が晴れた感じです。初対面でも演奏できる!ベーシストのための初心者向けセッション講座! https://t.co/GBIBL72AlJ
— Shinsuke Saito (@shinsuke_saito) 2018年12月23日
- 12小節のブルースの成り立ちを暗記しよう。
- マイナーペンタトニックスケールを使えるようになろう。
セッションに必要な最低限の知識はこの2点!
フレットをズラして、どのキーでも対応できるようになれば最強ですね!
もちろん、Key=Aのブルース上で使えるスケールはマイナーペンタトニックだけではありません。
各コードに対応したコードトーンやスケールも演奏できます。
その辺りは「理論派ベーシスト育成計画」を攻略していただければ身についてくると思います!
いろいろ遊べたほうが楽しいですよね!
ちなみに。
セッションを終わるときは、12小節目のV度のあとにI度に解決してジャーンと終わらせるのが一般的です。
お決まりフレーズはこんな感じ。
一度は耳にしたことありますよね!
以上でセッション講座は終了になります。
困ったら、指定されたキーのマイナーペンタ1発で乗り切りましょう!
いや、もうホントにネタではなくて。
即興アドリブ、セッションの入り口はマイナーペンタトニックスケールです。
まずはバッキングトラックに合わせて、ペンタを弾けるようになりましょう!