
こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
「とにかく簡単に!かっこよく!」を追求したい人にはコレしかない!
あいつもペンタ!あの子もペンタ!
あの曲も!あのフレーズも!みんなペンタ!
本番で緊張して頭の中が真っ白になってしまった。
そんな緊急事態もペンタさえあれば乗り切れる。
みんな大好きペンタトニックスケールの紹介です。
「とりあえずペンタだけ知ってれば生きていける!」
「何も考えずにペンタでOK!」
そんな受け売り文句でおなじみのペンタトニックスケール。
ブルースやロックの代名詞!みたいなイメージを持ってる人も多いと思うんですけども。
実際は使い方ひとつでありとあらゆるジャンルに対応できる万能な子。
ペンタトニックスケールについて
2種類のペンタトニックスケール

細かい説明の前に、まずは音と配列の確認から。
一般に「ペンタトニックスケール」と呼ばれるスケールは、大きくわけてメジャーとマイナーの2種類です。
どちらも覚えやすい形なので、フォーム(指使い・配置)で覚えてしまいましょう!
メジャーペンタトニックスケール

これがメジャーペンタトニックスケールの形です。
通常のメジャースケールから4度と7度を抜いた形になります。
わらべうたや演歌でお馴染みの「日本のヨナ抜き音階」と呼ばれるスケールですね!
4th(ヨ)と7th(ナ)が抜いてあるから「ヨナ抜き音階」と呼ばれています。
マイナーペンタトニックスケール

そして、こちらが人気と汎用性がもっとも高いマイナーペンタトニックスケールになります。
通常のマイナースケールから2度と6度を抜いた形です。
他五音で構成されたスケールは他にもたくさんではあるのですが、ポピュラー音楽の世界で「ペンタトニックスケール」と呼ばれるのは主にこの2つになります!
ペンタトニックスケールについての基礎知識
ペンタトニックスケール。
日本語では「五音音階」ですね。
語源はペンタ。
ギリシャ語で5のことをペンタ(penta)と呼びます。
その名のとおり、5音で構成されたスケールです。
1(モノ), 2(ジ), 3(トリ), 4(テトラ), 5(ペンタ), 6(ヘキサ)―。
有機化学の世界では、よく目にするワードだと思います!
ペンタトニックスケールのメリット
選択肢が絞られている

基本的なスケールが7音で構成されているのに対して、ペンタトニックスケールは5音で構成されています。
音数が少ないぶん、選択肢が絞られてシンプルで扱いやすいのがペンタトニックのメリットです。
音数が少ないおかげで、思考停止でめちゃくちゃに弾いてもサマになる演奏ができるのです!
アボイドノートが省かれている

ペンタトニックスケールでは、トライアドと半音階で隣り合った音が省かれています。
いわゆるアボイドノート(不協和音)になる音です。
これがKeyのペンタトニックをゴリ押しで弾いても綺麗な旋律になる理由の1つです。
とくに使いにくい4度の音が元から含まれていないので、アボイドについて考える必要がありません!便利!
ペンタトニックスケールを使用した曲
メリッサ – ポルノグラフィティ
イントロのベースラインがAのマイナーペンタトニックスケール1発で演奏されています。
「まさにマイナーペンタの音!」と呼ぶにふさわしい、教科書のようなサウンドになっています!
Crossroads – Cream
専門学校や音楽教室の教材としてもおなじみのCrossroads。
リフもバッキングもソロも、すべてAのマイナーペンタで構成された楽曲です。
Eric Clapton氏といえばこの曲!
世界中で幅広い世代に愛されるマイナーペンタの代名詞です!
メタルギアソリッドのメインテーマのメロディ!!
こちらも綺麗にマイナーペンタトニックスケールですね!
永遠の名作、MGSの神曲です!
ペンタ依存症に注意
「普通に音楽ライフを楽しむぶんには、ペンタトニックスケールだけ弾ければアドリブは楽勝!」
というのが現実です。
それ故に陥ってしまう沼があります。
ペンタトニックスケールがあまりに有名でカッコ良くて、なおかつ使いやすくて便利なせいで
…っていうかペンタしか知りません!
という症状に陥ってしまう方がめちゃくちゃ多いんです。
通称「ペンタ依存症」と呼ばれる現象ですね。
もちろん、他の音楽理論を勉強していくことで世界が広がっていくので、ペンタ依存症を抜け出すこと自体はカンタンなんですけども。
「そろそろペンタでゴリ押しするのは終わりにしたいな〜…」と感じるまでペンタ沼に取り憑かれてしまうのは、ミュージシャンあるあるだと思います。
ペンタトニックスケールを極めようとするだけでも何年も遊べるほど奥が深い世界なので、ペンタ依存症が悪いワケではありません!
いろんな知識を駆使して、自分なりのプレイスタイルを追求していただけたらなと思います!
まとめ

バッキングにも!ソロにも!困ったらペンタ!
何を弾いたらいいのか迷ったら、とりあえずペンタトニックスケールをぶち込んでみましょう!
ポジションの中で動き回れば、それだけであなたもペンタの使い手!
ペンタトニックスケールの魅力を手っ取り早く味わってみたい方は、まずは「ベーシストのための初心者向けセッション講座」の記事からブルースに挑戦してみてください!
病みつきになること間違いなし!
【セッション失敗談】
まだ経験の浅かった頃、お客さんびっしりのBARでブルースを演奏したときの話。何も考えずにメジャーペンタで弾き始めたら意図せず「はるばるきたぜ函館へ〜♪」になっちゃって、ひと回しジャパニーズ調から抜け出せなかったことがあります_(:3」z)_
客ウケはかなり良かった←
— 高橋和明 (@KAZUAKI_virgiL) May 28, 2020