こんにちは、ベース講師の和明さん(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
Question
「演奏動画を拝見しました。和明さんはフラットワウンド弦を使用していると思うのですが、動画の冒頭でのスラップの音作りはどのようなセッティングにしているのでしょうか?」
Answer
9割はプリアンプのキャラクター色任せです!
僕は普段、D’Addario製のフラットワウンド弦「ECB80」を愛用しています。
おしとやかなサウンドが得意な反面、バッキバキな音色はとっても苦手なフラットワウンド弦。
「フラットワウンド弦はスラップ向きではない」というのが世間一般の印象でしょう。
そんな大人しいサウンドのフラット弦でスラップをするなら、キャラクター色の強いプリアンプを挟んで対応するのが一番簡単です!
今回の記事では、フラットワウンド弦環境での僕の音作りを紹介します。
フラットワウンド弦でスラップをするときの音作り
こちらが、今回お問い合わせを頂いた冒頭でスラップをしている演奏動画。
フラットワウンド弦にしては頑張った音色だと思います。多分。
この演奏動画に使用した機材の紹介は、こちらの記事から!
この動画内では『魔導書』内のMS-60Bに搭載されているSansampの「Bass Driver DI」のモデリングプリアンプを使用しています。
MS-60B内の名称は「BassDrive」になっています。
「魔導書」システムの中枢を担うZOOM MS-60Bのレビュー記事はこちら!
142種類の高品質エフェクトを搭載した最強のマルチエフェクターです!
…僕ね、本当はサンズのベードラってあんまり使いたくないんですよ。
誰がどんなベースで演奏しても必ずSANS臭い音になっちゃうし、猛烈に音抜けも悪くなるじゃないですか…。
やり方次第だけどネ。
しかし今回は、その強すぎるキャラクター性に頼ることにしました!
毒を以て毒を制すぜ!
ZOOM MS-60B内の使用エフェクター
【MS-60B内の使用エフェクター】
- ①M COMP
(EBS / MULTICOMP) - ②BassDrive
(SANSAMP / Bass Driver DI) - ③SVT
(Ampeg / SVT-4PRO)
こちらが今回の動画の中で使用したプリセットです。
M COMPは雑に弾いても形になるように「保険」のつもりで薄く乗せてます。
STVは僕の普段のセッティングをそのまま流用。
今回の鍵は、真ん中のBassDriveのノブです!
BassDriveの設定
BassDriveの各パラメータの数値はこんな感じ。
TreblとPreseのノブを盛ってあげることで、スラップ時の金属音具合を調整することができます。
PRESENCEの周波数を調査してみると、4KHz前後をピークにそれより上の周波数の盛られ方が変わってくる傾向にあるようです。
上げすぎるとホワイトノイズの原因になり、下げすぎると今度はベースラインが他の楽器の音に埋もれてしまう原因になります。
自分の楽器の性能や演奏する楽曲に合わせて、ちょうどいいポイントを見つけましょう!
SVTの設定
せっかくなので、出音を左右するSVTの設定も公開!
何のひねりもない、平凡な汎用セッティングです(笑)
BassDriveとSVT、2段階でBassを削ってTreblを持ち上げています。
BassDriveは低音が膨れすぎる傾向にあるので、SVTでBassを更にカットしてあげると扱いやすい音に!
Hartkeは…
バッキバキなアンプの代名詞、Hartke。
MS-60BにはHartke / HA3500のモデリングアンプシミュレーター「HRT3500」が搭載されています。
こちらを使う選択肢もあったのですが、純粋にHartkeの音が気に入らなかったので却下。
Hartkeの取り扱いって、何故か苦手なんですよね。
性格が合わないのかな…。
Bass Attack 2は良いゾ
Hartkeから発売されているプリアンプ「Bass Attack 2」は扱いやすくて手軽にバッキバキなサウンドが作れる良いエフェクターなのに…!
実機でのセッティング
MS-60Bの設定を実機に移植すると、こんな感じ。
まとめ
楽器や性能はキャラクター性の強いプリアンプでカバー!
僕の環境は、もともと「可能な限り金属音を消したい!」という考えからフラット弦を採用しています。
そんな状態でスラップのバキバキ感を再現するためには、やはりプリアンプによるキャラクター操作が一番手っ取り早くて簡単でした。
あとは弾き方!
ベースの出音は指先の力加減に大きく左右されます。
スラップの場合は指の入れ具合と引っ張り加減ですね。
そのあたりも上手に身に着けて欲しいなーと思います。