こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
今回の記事は
Question
「ベースで『うつ病』を改善する」
という、ちょっと特殊なテーマでお送りします。
世界中の論文を読み漁って、その医学的根拠を見つけました!
もちろん、ベース以外のすべての楽器に応用できる内容です!
厚生労働省の調査によると、日本人のうつ病の有病率は6.7%。
つまり、15人に1人が生涯のうちに1度は発症すると言われている深刻な病気です。
今現在、うつ病のせいで生き地獄の中で苦しんでいる方。
また、うつ病の患者さんを側で支える周りの方々。
そんな方に、ベースという楽器の本質を活かして希望をお届けできるかもしれません。
うつ病は、実際に体験してみないとわからない本物の生き地獄です。
実際に僕自身もうつ病を患って、この地獄から逃れるために6度も自殺未遂をくり返しました。
そして、現在も闘病中です。
心の底から信頼を寄せていた人に騙されて、そのショックから介助なしでは日常生活を送ることも困難な状態に陥ってしまいました…。
「うつ病で苦しむミュージシャンを、ひとりでも多く、一瞬でも良いから生き地獄から解放してあげたい」
先に結論から書きます。
メトロノームを使ったリズムトレーニングが「うつ病」の生き地獄を和らげます!
ゆっくりで良いので、ぜひ読んでみてください!
について、順番に解説していきます。
実際に病院で「うつ病」の診断を受けた僕自身が、生き地獄の中で本気で編み出した『楽になれる方法』を紹介します!
Check
【読者様へ】
「うつ病」を発症すると、信じられないくらい目の前の文字が理解できなくなります。 今回の記事は、そんな状態の患者さんで読み進められるようにいつもとは違う文体、装飾でお送りしたいと思います。
「うつ病」を発症すると、信じられないくらい目の前の文字が理解できなくなります。 今回の記事は、そんな状態の患者さんで読み進められるようにいつもとは違う文体、装飾でお送りしたいと思います。
Check 2
【患者様へ】
今回の記事の内容は、各学会で発表されている信憑性の高い研究データを元に検証を行っています。
そのため、ある程度の再現性や即効性には期待できるはずです。
今回の記事の内容は、各学会で発表されている信憑性の高い研究データを元に検証を行っています。
そのため、ある程度の再現性や即効性には期待できるはずです。
しかし、今回ご紹介する「楽器療法」で楽になったからといって、ご自身の判断で現在続けている治療を中断するようなことは絶対にしないでください!
お薬の量の調整などを検討される際には、必ず担当のお医者様の支持を仰ぐようにしましょう!
※各研究データの出典元は、記事下部にまとめて紹介させていただいています。
ベースでうつ病を治すメカニズム
いつも、BASS NOTEの記事では
「○○の技術を鍛えるために、△△の練習をしましょう」
これは
「原理や目的を頭で分かっている状態で実践すると、その練習の成果があらわれやすい」
[speech_bubble type=”rtail” subtype=”R1″ icon=”01.jpg” name=”ray”]
ただ無心で筋トレするよりも「この運動は上腕二頭筋に効くんだ…!」と意識しながら筋トレしたほうが効果が出やすい!ということですね。
今回も「楽器による『うつ病』の改善」をより効率的に行うために、まずはうつ病改善の医学的根拠と原理について簡単に紹介してみようと思います。
「前置きは良いから早く教えて…!」
うつを改善する「セロトニン」について
まず最初に、うつ病を改善する救世主「セロトニン」について少しだけお勉強してみましょう。
セロトニンは脳内で働く神経伝達物質のひとつです。
セロトニンには、緊張や不安・抑うつ状態を改善し、精神を安定させる効果があると言われています。
通称「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、うつ病やPTSDなど、人間を地獄の底に突き落とす精神疾患を治療するうえで非常に重要になってくる物質なのです!
また、このセロトニンが不足すると人間は「うつ病」になると言われています。
そんな抑うつ状態を緩和させる「セロトニン」を、楽器を使って脳内にドバドバ溢れさせる方法をBASS NOTEが発見しました!!
それが、次の項目!
リズム運動がセロトニンを分泌する!
ばばばばん!!
なんと!
我々ミュージシャンにとってはありがたいことに。
人間は一定のリズムで同じ動作を繰り返すことによって、脳内のセロトニン濃度が高まることが医学研究によって解明されています。
- ガムを噛む
- ウォーキングをする
- ダンスをする
一定のリズムで身体を動かす「リズム運動」が脳内にセロトニンを分泌させることが分かっています。
リズムなら任せてくれ!!!
なぁ、そうだろ!
BASS NOTEで鍛えられし同胞たちよ!
実際にTwitter上で実施したアンケートでも、約9割の方が
「楽器を弾いていると、なんだか精神が落ち着く」
みんなが感じている「楽器を触ると落ち着くなぁ」という気持ちは、脳内でセロトニンが分泌している証拠なんですね!
リズムを取るとセロトニンが出る!
リズムを足で取ったり、
安定したビートを刻んだり、
そのような楽器を演奏するときの基本動作が、脳内にセロトニンを分泌させます。
そのとおり!!
特にリズムを維持することに特化したベースは、セロトニンを分泌させるのに最適な楽器なのです!
ネガティブを消し去る「目の前のことに集中する」技術
もうひとつ。
楽器の演奏がうつ病の改善に効く根拠についてお話します。
- 過去のトラウマや後悔
- 未来への不安や緊張
暇な時間が続いたり、深い考え事をすると憂鬱になってしまうのは、このためですね…。
そこで、楽器とメトロノームを使ったリズムトレーニングです!
メトロノームのクリックという
「今この瞬間だけ」
簡単にまとめると「一心不乱にメトロノームのクリックに集中していると、嫌なことを全部忘れらるから楽だよ!」ということですね!
「リズム運動」と「一点集中」の合わせ技で抑うつ状態を脱出!
しかも!
その効果は、頓服の安定剤を飲むよりもずっと即効性があります。
さらに!
「精神が安定している状態をキープする」というのは、うつ病の改善にも絶大な効果を発揮することが分かっています。
そのうえ!
「3ヶ月間音楽に触れ続けたうつ病患者は、一般の患者に比べると抑うつ状態のスコアが大幅に改善した」というデータも発表されています。
楽器は、もはや『対うつ病用の最終決戦兵器』と言っても過言ではないでしょう!
決して根性論なんかじゃない、本物の医学の研究結果に基づいた「うつ病」の治療法です!
音楽でうつ病を改善する方法
さてさて、おまたせしました。
ここからが本題です。
具体的に『音楽で脳内にセロトニンを溢れさせる方法』について解説していきます。
何度も検証を重ねて、数値を測定しました。 データは嘘をつかない!!
何度も検証を重ねて、数値を測定しました。 データは嘘をつかない!!
Check
【これから説明することのまとめ】
- メトロノームを使ってリズムトレーニングを行ってみましょう。
- しっかり自分の中で拍を数えながら演奏するように意識しましょう。
- 演奏するフレーズはどんなものでも構いません。
- 5分間続けるとセロトニンが分泌され始めます。
- 20〜30分間続けると、セロトニン濃度がピークに達します。
- ピークの状態は2時間継続します。
- くれぐれも無理のない範囲で演奏を行いましょう。
リズムの取り方について
まずは、リズムの取り方についてです。
ただ闇雲に楽器を触っていても、うつ病対策にはなりません。
もっとも効率よく抑うつ状態から抜け出す方法を、検証に検証を重ねて見つけ出しました!
必ずメトロノームを使用すること
【精神が安定するまでにかかった平均時間】
- メトロノームなし…14分
- メトロノームあり… 5分
「リズム運動を5分間継続すると、脳内でセロトニンが分泌され始める」という研究データが発表されています。
メトロノームによるリズムトレーニングでもその効果は同じで、練習をはじめてから平均5分前後で精神状態が安定してくることが分かりました。
逆に、メトロノームを使わない状態だと、精神の安定を実感するのに平均で14分ほどかかりました。
ちなみに、リズム運動を開始してから約20〜30分でセロトニンの濃度がピークに達します!
- メトロノームのクリックに集中できる
- 規則的なリズムを刻みやすくなる
などなど、効率的に抑うつ状態を脱出するための条件をそろえられるので、必ずメトロノームを使用してください。
楽器で精神を落ち着かせたいときには、必ずメトロノームを使用しましょう!
メトロノームの鳴らし方
【メトロノームの鳴らし方と精神が安定するまでの平均時間】
- 4拍打ち…7分
- 2拍打ち…6分
- 変則打ち…5分
クリックが常に鳴っている状態で練習を行うよりも、自分でしっかりとリズムを刻む必要がある鳴らし方で練習したほうが効果が出やすいことが分かりました。
具体的には「リズム感自己診断テスト」のLv 1.5以上の鳴らし方でメトロノームを使用することをオススメします!
これは「タイム感を鍛える練習方法」で紹介している、クリックの位置がズレていく鳴らし方です。
僕はこの鳴らし方をメインに、メトロノームを使用しています。
メトロノームは、無理なく自分が拍を刻めるリズムで鳴らしましょう!
自分のなかで、しっかり「one, two, three, four」と拍をカウントし続けながら演奏するのが大切です!
「数字を数える」という動作自体にも、抑うつ状態を脱出する効果があることが分かっています!
演奏するフレーズについて
【演奏するフレーズと精神の安定を実感するまでの平均時間】
- クロマチックの運指練習…6分
- 4ビートのウォーキングベース…5分
- 16ビートのスラップ…5分
- Donna Leeのテーマ…5分
上記の「変則打ち」でクリックを鳴らしながら演奏した検証結果です。
あくまで「体幹でしっかり4拍のリズムを感じていること」が最重要で、演奏するフレーズによる精神の安定までの時間の変化は見られませんでした。
自分が練習に没頭できるフレーズなら、なにを弾いてもOKということですね!
精神安定の継続時間について
【楽器を演奏し始めてから安定を感じていられる平均時間】
- 1回目: 110〜120分
- 2回目: 75〜90分
- 3回目: 55〜65分
リズム運動で分泌されるセロトニンは、演奏開始から約20〜30分でピークを迎え、その安定状態が約2時間継続することが研究で分かっています。
ここで注意!
実際に僕自身が検証してみたところ、
連続で演奏療法を行うと、精神が安定している効果時間は回数を重ねるごとに減少していきました。
安定剤を飲んで休んだり、すこし時間をおいてから演奏(リズム運動)を再開すると、安定時間も再び長くなります!
注意点
必ず楽器を使うこと
- 手拍子だけ
- 足踏みだけ
- 頭で拍を数えるだ
こういうのはNGです!
メトロノームを鳴らしながら楽器なしでリズム運動を実験したところ、練習を終了した瞬間に激しい抑うつ状態に突入しました。
手持ち無沙汰な状態だと、練習に集中している間の疲れを誤魔化すことができないようです。
音楽でセロトニンを分泌させたいときには、必ず楽器を手元に用意しましょう。
楽器を演奏しないボーカリストの方は、しっかり声量を出すことが大切になってきます!
落ち着いたら、やめること
「あぁ、いま落ち着いているな」
練習を始めてから約20〜30分ほどで、そのタイミングが訪れると思います!
疲れを感じるほど練習を続けてしまうと、かえってセロトニンの機能が低下して抑うつ状態へと突入しやすくなります。
また、自分の技量にそぐわないレベルの練習なんかも、ストレスを感じることになるのでうつの改善には逆効果になります。
自分が楽しいと感じる練習内容を、自分が楽しいと思える分量で行うようにしましょう!
より効率的に脳内のセロトニンの濃度を高めるためには、無理は絶対に厳禁です!!
嫌いな音使いは避けること
音楽には、人間の思い出を記録する力があります。「うつ病の原因となった音楽」がある場合は、くれぐれもそれを避けるようにしてください。
僕の場合は、Dのメジャーペンタトニックを使用すると、脳内でフラッシュバックが起こり急激に抑うつ状態に入る傾向があることが分かりました。
嫌な思い出がある曲や、音使いは避けるようにしましょう!
楽器療法だけに頼らないこと
今回紹介した「楽器療法」は、うつ病の改善に間違いなく絶大な効果を発揮すると信じています。
僕自身も、幾度となくこの楽器療法に救われ、内臓の痛みの緩和さえも実感しました。
ですが、この方法で楽になったからと言って、薬の服用を自分の判断で中断するようなことは絶対にしないでください!
あくまで「こういう逃げ道もあるから、今続けている治療と平行して試してみてね!」という切り口で受け止めて頂けると幸いです。
薬の量を調整するときは、必ず担当のお医者様と相談しながら決めるようにしましょう!
音楽の力で「うつ病」を治す! まとめ
Check
- メトロノームを使ってリズムトレーニングを行ってみましょう。
- しっかり自分の中で拍を数えながら演奏するように意識しましょう。
- 演奏するフレーズはどんなものでも構いません。
- 5分間続けるとセロトニンが分泌され始めます。
- 20〜30分間続けると、セロトニン濃度がピークに達します。
- ピークの状態は2時間継続します。
- くれぐれも無理のない範囲で演奏を行いましょう。
最後に一言
今回、僕がうつ病の診断を受けたことを報告した際に
全国から、このBASS NOTEやTwitterを通して心配と応援のあたたかいメッセージが何百件も届きました。
どれだけ感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。
ひとつ残らず、しっかり読ませて頂いています!
みんな、本当にありがとう。
うつ病」は、実際に体験してみないとわからない本物の生き地獄です。
なにも分からなくなる。
右も左も分からなくなる。
本当に空っぽ。何も無くなる。
とにかく意識がある状態が辛い。
中途半端に自我が残っている状態が苦しい。
眠ると悪夢、悪夢、悪夢。
目が覚めるとフラッシュバック。
記憶の欠落、思考回路の崩壊。
幻聴、幻覚、制御不能な希死念慮。
重くて動かない身体。
すべてにおいて無気力な魂。
何をしても満たされない心。
無限に続く拷問のような苦しみ。
効かない薬。
絶望だけの現実。
呼吸をするだけで心臓が抉られるように痛む。
最期は死神だけが自分を救ってくれると本気で信じ、僕は自分の首をナイフで掻き切り、自室の窓から飛び降りました。
……生き残っちゃったけどね(笑)
こんな生き地獄に絶えながら、この記事をここまで読んでくださっている方も大勢いるのかなと思っています。
「今うつ病で苦しんでいる日本中の同胞たちに、ほんの一筋の光でもいいから届けてあげたい」
「たったひとりでもいいから、この記事を通して一瞬でも楽になってほしい」
うつ病という生き地獄をこの身で味わった自分だからこそ出来ること。
BASS NOTEという大きな発信媒体を持っている自分だからこそ出来ること。
今回の「楽器療法」の記事をこの世に残すのが、今の自分の使命であると信じて、この記事を完成させました。
うつ病で苦しむ誰かに、この記事が届きますように。
各研究データ出典元一覧
【出典】
- 神経伝達物質 – 【地方独立行政法人 秋田県立病院機構】秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
- 「セロトニン」 – 日本クリニック株式会社
vol.113 「リズム運動」でメンタル強化を -OMRON - すぐできる脳内改革! 噛むことでストレスフリーになる!? – 噛むこと研究室
- うつ病治療の新たなメカニズムを発見! – ResOU – Osaka University
- セロトニン神経活性化の臨床的評価:脳波α2成分の発現 – CiNii
- Making Music Proves to Be Powerful Antidepressant – Live Science
- Medicine Music proves to be powerful antidepressant – The Hindu
- 脳からストレスを消す技術 – 有田秀穂
- マンガでわかる神経伝達物質の働き – 野口哲典
- 超ストレス解消法 – 鈴木祐
- ストレスを操るメンタル強化術 – メンタリスト DaiGo