わざと音をハズす!?ベーシスト専用ウォーキングベースの盛り上げ方

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こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。

今回のテーマは
「ウォーキングベースラインの盛り上げ方について」

です。

ウォーキングベースを使う場面では、音量音の手数で盛り上げるのは難しいことが多いと思います。
とくにジャズ界隈のプレイヤーなんかは、それを心底実感しているのではないでしょうか。

今回の記事では、簡単に場の空気を変えられるウォーキングベースラインについてお話してみたいと思います。

ウォーキングベースの盛り上げ方

ドミナント・モーションとは
鍵になるのは、ドミナント・モーションしている部分!
今回はKey=CI-VI-II-V進行を例に説明していきます。
Key=Cの曲で、とくに大切な音価となるコード「G7」。
今回は、そのG7上で扱える簡単テクニックをいくつか紹介してみたいと思います。

コードトーン解決

「ウォーキングベースでルート以外に着地する3つのパターン」で解説したルート以外に着地するパターンです。
模範演奏では、5小節目(2周目の頭)のC△7にコードの3度にあたるEの音程から入っています。

無理やりルートを目指す必要がないので、ノリを殺さない優雅なウォーキングベースラインを描くことができます。
「ルートに着地しなくても大丈夫!」という意識を、頭の中に強く持つようにしましょう。
和明さん
3度の他にも、コードに対して5度や7度の音で着地してみましょう!

オルタードノート+5度解決

4小節目のG7上の動きに注目!
ルートから高いM3度(10th)の音へ。
そのまま経過音としてm3度、♭9度というG7から外れた音を使って次の小節C△7の5度へ着地しています。
m3、♭9の音はそれぞれGのオルタードスケールに含まれる音で、正しい位置で扱うととってもオシャレで盛り上がる音階になっています!
▶ベーシストのための指板で覚えるオルタードスケール
和明さん
高い音を混ぜるので、盛り上がる雰囲気が分かりやすいですね!

ドミナントペダル

最後はコレだ!
必殺!ドミナント・ペダル!
2周目をドミナントペダルでゴリ押しして、冒頭の「3度解決」で元の流れに復帰しています。
和明さん
「ドミナントペダル」についての説明は次の項目で!

ドミナントペダルとは?

例えば、ピアノ。
足元のペダルを踏むと、音がずーーっと伸び続けるじゃないですか。
その「音がずーっと伸び続ける状態」を再現するのがペダルです。
和明さん
主にベースや鍵盤など、低音を担える楽器が使用できる技術ですね。
日本語では「保持音」なんて言われます。
演奏の現場では「ペダル」と言われることが多いです。

で。
曲のキーに対してのドミナント、つまり5度の音をペダルする技を「ドミナントペダル」と言います。
コード進行自体をぶっ壊して、曲の雰囲気をガラリと変えることができる荒業
それがドミナントペダルです。  
音楽の自由さを感じさせる技ですね(笑)
低音楽器がドミナントペダルすることで、ギターや金管などのソロを取る楽器の自由度も跳ね上がります。

ドミナントペダルの注意点

ただし、強引な技だけに使い所が難しく。
適材適所で使用しないと「無理やり盛り上げた状態が、むしろ空回り」なんていう事故を起こしてしまう場合も。

ペダルは盛り上げのドーピング剤のようなモノで、ペダルをストップさせると急激に盛り下がる副作用があるんです。
「場のボルテージがこれからどんどん上昇していく!」という場面を見極めてぶっ込んであげましょう。
和明さん
まさに空気の読み合い、音の対話が大切ですね!
さらに、もう一点気をつけたい重要なポイントが。
  • ペダル状態から元の進行に戻るタイミングがメンバー間でズレる。
  • メンバーの誰かがドミナントの世界に取り残される。
このような現象が起きてしまうと、盛り上がった空気がガタガタに崩れて台無しになってしまいます。
必ず全員が同じタイミングで、元の空気感に戻るようにしましょう

そのあたりの誘導はベーシストの腕の見せ所です。
ベースラインの音使いや、メンバーとのアイコンタクトで
「戻るよー、次から通常のコード進行に戻りますよー!」
と全力で誘導してあげましょう。

模範演奏では、オルタードフレーズを使って元のコード進行に解決しています。

まとめ

  • 教科書通りの弾き方から抜け出してみる。
  • わざとハズれた音を入れてみる。
  • ドミナントペダルを使用してみる。
うして書いてみると、やること自体はとっても簡単そうなんですけど。
実際に使ってみると、
「どれくらい破天荒なことをしていのか」
「どの程度ハズれた音をどこで使っていいのか」
「どのタイミングでペダルしていいのか」
などなど、自分なりに具体的な疑問が見えてくると思います。

もちろん、理論的な法則性もあるんですけど。
それ以上に、今回の記事で紹介した技を使うために大切なのは「場の空気間を読める力」かなと思います。
そのあたりは、経験の中で感覚的に掴んでいきましょう!
必ず「自分の色」が見えてくると思います!
和明さん
いい加減なことをしても、気持ち良ければOKなのが音楽の良いところ! 変な音使いをいろいろ試して、自分なりの「気持ち良いツボ」を見つけてみましょう!

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