こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
Question
「弦の交換方法を詳しく教えてほしいです」
いつまでの錆びた弦を使っていては、出音はもちろん、指先や楽器にも悪い影響を与え続けます。
今回の記事では、お世話になっているプロのリペアマンの方から教わった正しいベースの弦の交換方法について解説してみたいと思います。
ベースの弦交換のために用意するもの
- ニッパー
- ストリングスワインダー
- クロス
- オレンジオイル
- 新品の弦
今回使用するのはこちらの弦。
D’Addario ECB80です。
ベースの弦の交換方法
1.弦を外す
何はともあれ、まずは弦を外しましょう。
「ネックのねじれを防止するために、他の弦を張った状態で一本ずつ交換する」という方法もあるそうなんですけど。
基本的には全ての弦をまとめて交換する手法でいきます。
まずは弦を緩めましょう。
【注意】そのままニッパーで弦を切断すると、その張力で弦が顔に吹っ飛んできます。
4弦→3弦→2弦→1弦→4弦→3弦…というように、各弦を同時に少しずつ緩めていきます。
弦がダルダルに緩んだら、弦が細くなっているペグの付近で弦を切断します。
強いニッパーやペンチがあれば、ブリッジ付近で切断しても構いません。
弦をボディから引き抜く際に、楽器を傷つけるリスクが低下します。
ベースの弦は太いので、ボディに弦を擦らないように注意しましょう。
弦を持ち上げるように引っ張りながら、弦を引き抜きます。
弦は小さくまとめて、お住まいの市町村の指定に合わせて捨てるようにしましょう。
2.クリーニング
せっかく弦を外したので、楽器をクリーニングしましょう。
普段クリーニングできないブリッジの隙間などを、丁寧に綺麗にしてあげましょう。
楽器のクリーニングについては、こちらのページに詳しく記してあります。
合わせて見てみてください。
3.弦を張る前に!
この記事を見てくれた方だけに!あまり知られていない手順を一つお教えします。
弦を張る前にポストの向きを揃えましょう。
弦の捻れを防ぐ効果があります。
弦と同じ向きになるようにしましょう。
4.弦を張る
パッケージに、各弦の見分け方が書いてあります。
ボールエンドの色と照らし合わせて、弦を間違えないようにしましょう。
D’Addarioの弦だと、
- E弦…金
- A弦…赤
- D弦…黒
- G弦…緑
ブリッジに通す際にも、楽器を傷つけないように気をつけましょう。
弦はまずは通すだけで、まだ巻きません。
僕は、大まかにですがボールエンドの向きも揃えるようにしています。
弦を切る長さは完全にお好みです。
「可能な限り巻かない」という方も入れば「とにかく巻きまくれ!」という方もいます。
僕の基準はペグ3つぶんです。
4弦でも、1弦でも。
一番下のペグを基準にして、一番上のペグに届く位置で弦を切ります。
例えば、Aのペグに入れる弦を用意する場合には。
ペグの位置Aを基準に、そこからペグ3つぶんの位置で切断します。
残りが写真のような長さであれば、弦は切らずにそのまま使用しましょう。
切る位置が決まったらカットです。
が、ここで注意。
ワウンド弦は、そのまま切断してしまうと弦の巻きが乱れて弦の寿命が短くなってしまいます。
切断のダメージを最小限に抑えるために、まずは切りたい位置に折り目をつけます。
で、折り目から1〜2mm先を切断します。
折り目をつけることで、切断の衝撃がこの折り目で止まるんですね。
このままポストの穴に差し込んで、ストリングワインダーを使って巻いていきます。
ワインダーを使う際は、楽器やペグを傷つけないようにクロスを噛ませた状態で回すようにしています。
弦を巻き巻きする道具「ストリングワインダー」についての紹介はこちらの記事から!
弦を巻くときに、1点だけ注意です。
チューニングを安定させるために下向きに隙間なく巻いていきます。
この時も一気に全部巻かずに。
4弦→3弦→2弦→1弦→4弦→3弦…というように、少しずつ巻いていきましょう。
ある程度たるみがなくなるくらいまで巻けたら、弦の交換作業は完了です。
チューニング
綺麗に弦が巻けたら、最後にチューニングです。
今までと違うメーカーやゲージの弦を張ったときには、ネックの反りやオクターブチューニングなどもしっかり確認するようにしましょう。
同じ楽器なのに、びっくりするくらい調整が必要になる場合もあったります。
【特集】メンテナンス