こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
「皆さんは、正しいベースの自宅レコーディングの方法を知っていますか?」
ベースのレコーディング方法というのは少々特殊でして。
ギターやボーカルのレコーディングとは、また異なる手順で録音されます。
エフェクターやアンプの音を通したベースの音源データなんて提出したら、クライアントに怒られてしまいますよ!
「え……」って思った方には、ぜひぜひ最後まで読んでいってほしいです。
ベースは、原則としてDI直の音をレコーディングします。
もちろん音源の用途にもよりますけどネ!
結論から書くと、レコーディング音源は柔軟にオケに馴染むミックス(編集)を行えるように、あえてDI直の音を採用するんです。
その辺、詳しく書いていきますよ!
今回の記事では、宅録機材のセッティングについてお話してみたいと思います。
ベースの宅録に必要な機材について
宅録に必要な機材に関しては「【宅録】ベースの自宅レコーディングに最低限必要な機材4選」を参考にしてみてください。
各機材の必要なスペックや用途について、細かく紹介しています。
簡単にまとめると、本当に最低限必要な機材は
- パソコン
- オーディオインターフェイス
- ダイレクトボックス
- ヘッドホン
上記の機材が揃っていることを前提として、解説を進めていきます。
宅録機材のセッティング
DTMer時代の僕の作業環境です。
▶︎【ベース】最強の自宅練習環境を構築してみる 〜構想編〜
元職業DTMer(作曲家)の目線から、紹介していきます!
1.基本型
宅録に必要な最低限の信号の流れです。
最も基本形の配置をするとしたら、このような形になります。
【信号の解説】
DIのBALANCE OUTから、オーディオインターフェイスのINPUTへ。
ベースから出たシールドをDIのINPUTに挿入。
DIのBALANCE OUTから、オーディオインターフェイスのINPUTへ。
オーディオインターフェイスの各種OUTPUTから、PCとヘッドホンにベースの音を送信します。
PC内の音も、オーディオインターフェイスを経由してヘッドホンから聴くことができます。
機材は挟めば挟むほど、ノイズや音痩せの原因になります。
なので、ベースからオーディオインターフェイスの間にはDIだけというのが理想形になります。
DIの必要性については「ベースにとってDI(ダイレクトボックス)の役割とは?宅録に必要?」を参考にしてみてください。
可能な限り無駄を削ぎ落とした安定の構成ですね!
2.シンプル型
演奏動画の撮影をするときなんかには、こちらの配置。
DIの前にエフェクターボードを設置したレコーディング方法です。
アンプを通す場合にも、DI前に「エフェクター」の扱いで噛ませます。
アンプを通したい場合には、PHONE OUTやLINE OUTからDIのINPUTに接続します。
エフェクターを通した音をDIに通すのは、本来はオススメできる手法ではありません。
あくまでお手軽さに特化したセッティングになります。
「サッと撮って、ササっと投稿したい!」
そんな場合には持ってこいのセッティングですね!
3.本気型
本場のレコーディングスタジオなんかでは、この信号の流れが採用されていますね。
PCにレコーディングされる音はDI直の音。
ヘッドホンから出力される音はエフェクターを通した音。
ヘッドホンから出力される音はエフェクターを通した音。
気持ち良くレコーディング作業が行える環境です。
信号を分岐できるDIと、信号をまとめられるミキサーが必要になります。
耳で聴こえるサウンドと実際に録音されるサウンドが別のモノになるので、使いこなすにはある程度の技術が必要になります!
レコーディングの際は基本はエフェクターを通さない
ダイレクトボックス直でベース本来の音をレコーディングする。
レコーディングにおいては、エフェクターやアンプの音は「後がけ」が基本です。
僕がベース一本での演奏を追求する理由のひとつが、コレです。
レコーディングの段階でエフェクターやアンプを通してしまうと、
- 倍音が削られてしまったり。
- 位相がぐっちゃぐちゃに乱れてしまったり。
- 音色そのものがオケに馴染まなかったり。
※オケに馴染むように編集する作業
アウトボードのコンプレッサーをかけた状態でレコーディングすると、エンジニアさんから
「すいませんけど、コンプ切ってもらえますかー?」
レコーディングの際は「エフェクターは後がけ」ということを覚えておきましょう。
もちろんエフェクターを通して理想の音が得られる場合には、そのままレコーディング作業を行う場合もあります!
状況に合わせて臨機応変に対応しましょう!
状況に合わせて臨機応変に対応しましょう!
エフェクターやアンプの音はどうするの?
宅録の環境では、AmpliTubeのようなアンプシミュレーター系のプラグインで対応してしまう場合が多いと思います。
僕もレコーディング依頼の仕事が来た時なんかには、もっぱらAmpliTubeで完結させてしまいます。
実在するアンプやエフェクターを忠実にモデリングしたシミュレーターが用意されていて、
レコーディングする部屋のサイズやマイクの置き方、距離までPC上で再現することができます。
AmpliTubeひとつあれば、基本的な音作りには十分対応することができます。
レコーディング作の効率を大幅に上昇させてくれる、オススメのプラグインですね!
実際のところ、手持ちの機材を使うよりも遥かに良質な環境を再現することができちゃいます!
本気で宅録を行うなら、AmpliTubeは必須ですね!
本気で宅録を行うなら、AmpliTubeは必須ですね!
自前の機材を通したい場合
お手持ちのエフェクターの音を通したい場合には、リアンプと呼ばれる作業が必要になります。
レコーディングが完了したトラックを使うので、演奏のミスを気にせずに音作りに集中することができます。
宅録の場合には、DAW側に搭載されている「外部FXリターン機能」を使用すると比較的簡単ですね。
リアンプボックスを噛ませることで、更にリアルな音を追求できるでしょう。
※DAWのグレードや、オーディオインターフェイス のスペックによって使用できない場合があります。
手持ちのアンプを通したい場合には、PHONE OUTやLINE OUTからインターフェイスにリターンさせます。
スタジオのように「アンプは最大音量!キャビネットの前にマイクを立てて録音!」なんて、自宅では絶対にできませんからね(笑)
正直なところ、生の空気感を再現したい場合には先ほどのAmpliTubeで再現するほうがお手軽です。
専門的に解説すると非常にややこしいお話になるので、ここでは「へぇー」ぐらいに覚えておいていただければと思います(笑) 面倒なコトが苦手な方は『シンプル型』のセッティグンでエフェクターやアンプを通した音をそのまま録音しちゃいましょう!
アンプシミュレーター系のプリアンプを使用するのもオススメです!
アンプシミュレーター系のプリアンプを使用するのもオススメです!
ベース側の調整
レコーディングの際には、ベースのコンディションが大きく影響します。
ライン録りでは、ライブのときよりも遥かに敏感にサウンドに表れてきます。
ネックの反りの調整や、オクターブチューニングの確認など、レコーディング前に本体のメンテナンスをきちんと行っておきましょう。
▶︎ベースのメンテナンスをしてみよう
まとめ
まずは、こちらの基本型のセッティングを目指してみましょう。
この信号の流れで音が録れることを確認してから、改めてエフェクターやプラグインの導入を検討することをオススメします。
宅録に慣れてくると、あまりにDAW上の操作が便利すぎて「手持ちのエフェクター全部売却しました!」なんていう状態になることも少なくありません。
どんなに変な操作をしてもDAWが壊れることはないので、どんどん弄り倒してレコーディングの操作を覚えていきましょう!