こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
生徒さんからの質問です。
Question
「度数(どすう)の数え方がよく分かりません」
Answer
「基準の音から数えて何番目の音か」をあらわす数字が度数です!
例えば、Key=A♭の場合の会話。
「エーフラットメジャーセブンス、ディーフラットマイナーセブンス、ビーフラットマイナーセブンス、イーフラットセブンス…」
度数の概念が分かっていれば
「I、VI、II、V」
簡単!
度数に強くなると楽曲の分析や暗譜に強くるうえ、急なKeyの変更などにも簡単に対応することができるようになります!
音楽生活の効率をあげることができるのはもちろん、音楽理論を勉強する上でも度数の知識は必須です。
今回の記事では、音楽の度数について解説していきます。
音楽の「度数」とは
度数とは、音程の高さを数字であらわす数え方のことを指します。
英語ではdegreeなんて言われます。
「基準の音から数えて◯番目」というのが度数の数え方になります!
スケールにおける度数の数え方
【 勉強の前に 】
本来、度数表記(ディグリーネーム)はI度 II度 III度とローマ数字で表記するのが一般的です。
最初の項目では、分かりやすいようにアラビア数字で表記しています。
本来、度数表記(ディグリーネーム)はI度 II度 III度とローマ数字で表記するのが一般的です。
最初の項目では、分かりやすいようにアラビア数字で表記しています。
まずは度数の概念について勉強してみましょう!
メジャースケールの場合
例えば、こちらのCのメジャースケール。
スケールの音の順番に番号をふってみました。
Cは1、Dは2、Eは3に置き換えることができました。
これが「度数」の基本的な考え方になります。
【重要】度数は、ルートであるCを1度として数えます。
「3度」と言われたらミのこと。
「5度」はソのことをあらわしています。
逆もしかり。
ラのことを指したいなら「6度」。
シのことを指したいときには「7度」と呼びます。
Check
「3度 = ルートから数えて3番目の音 = ミ」
という解釈になります!
という解釈になります!
高いド(Hi-C)について。
上の画像では分かりやすいように「8度」と表記していますが、普通は7度の次は1度に戻ります。
音の高さに関係なく、ドはドです!
上の画像では分かりやすいように「8度」と表記していますが、普通は7度の次は1度に戻ります。
音の高さに関係なく、ドはドです!
マイナースケールの場合
もうひとつ、例としてAのマイナースケールをあげてみましょう。
こちらも同じように、音の配列を番号に置き換えて考えます。
この場合のドは「マイナーの3度」「♭3度」と呼ばれます。
同じようにソは「マイナー7度」「♭7度」と呼ばれます。
この仕組は、メジャースケールとマイナースケールの違いについて理解していれば納得できると思います。
もちろん「3度」「7度」でも伝わりますが、「マイナー調の話をしている」という共通認識がないと誤解を生んでしまうことがあるかも…?
Check
マイナースケールになると半音下がる音(3度・6度・7度)の音について「m3rd」「m6th」など、m(マイナー)をつけて呼称するのが一般的です。
メジャーキーのときには「M3rd」「M7th」など、M(メジャー)をつけてあらわすと分かりやすいですね。
テンションと度数について
ジャズやフュージョンなど、テンションを重視するジャンルの音楽に慣れてくると
- 2度 → 9度
- 4度 → 11度
- 6度 → 13度
その理由はこんな感じ。
コードトーンを重ねていくと、2度が9度に、4度が11度に、6度が13度になり、15度で1度に戻ります。
この辺は必要であればしっかり勉強して使いこなせるようになれば良いし、不要であれば知識のひとつとして流し読みして良い内容だと思います。
コードトーンって何?という疑問は「コードトーンを覚えよう」の記事で解決!
ダイアトニックコードにおけるコードの度数の数え方
II – V – I
曲で使用されるコードも同じように度数であらわすことができます。
この場合は楽曲のKeyのコードを1度として、ダイアトニックコードで数えます。
例えば、超定番の「II-V-I(ツーファイブワン)」と呼ばれるコード進行。
楽曲のKeyがCだとすると、
「II-V-I」は「Dm7-G7-C△7」という進行をあらわしていることになります。
ディグリーネームについて
- I-VI-II-V
- IV△7-V7-IIIm7-VIm7
- VIm-IV-V-I
※度数=ディグリー(degree) , 表記/名前=ネーム(name)
「ディグリーネームに直す」などなど、日常生活の中でも普通にとびかうワードなのでこの機会に覚えておきましょう!
「ディグリー表記で下さい」
Key=Dの楽曲ならII-V-Iは「Em7-A7-D△7」となります!
基準の音に合わせて柔軟に示すコードが変わるのが、ディグリーネームの良いところですね!
基準の音に合わせて柔軟に示すコードが変わるのが、ディグリーネームの良いところですね!
相対的に基準の音が変わる例
Em7 – A7 – Dm7
Keyの主音であるCから数えると、
IIIm7 – VI7 – IIm7
Dm7をゴールとして捉えると
IIm7 – V7 – Im7
相対的にI度を変化させて捉えられるようになりましょう!
この進行は「Dm7に向かうII-V-I」と呼んだりします!
ディグリーネームはゴールの音・目標の音をI度として数えることもできるんですね!
ディグリーネームはゴールの音・目標の音をI度として数えることもできるんですね!
5度上の音=4度下の音?
度数の世界の少しだけ面白い話をひとつ紹介しておきます。
Cから見たGは、5度上の音になります。
12345
CDEFG
5番目の音ですね!
ところがオクターブ下の音を見てみると、なんとCから見たGは4度下の音になるんです。
1234
ドシラソ
4番目の音になりました!
音楽理論の世界では、数える方向によって音程と度数が変わります。
どこかで直面したときのために、なんとなくで良いので覚えておきましょう!
まとめ
最初の音がI度です!
ドレミのドがI度です!
度数はルートから数えます。
完璧ですね、もう大丈夫!
メジャー系とマイナー系で音が半音変わる音度(3度,6度,7度)に関しては
M3rd(メジャーサード),m7度(マイナーななど)
- メジャー系の音を指したいときには「M(メジャー)」をつける。
- マイナー系の音を指したいときには「m(マイナー)」をつける。
【例】
M3rd(メジャーサード),m7度(マイナーななど)
ついでにコレを覚えておけば、間違いなく無敵です!
ディグリーネームの概念は今後生涯に渡って使い続ける知識です。
しっかり覚えて、上手に使いこなしましょう!