
今回のテーマはこちら!
Theme
「II-V-I(ツーファイブワン)について学ぼう!」
Conclusion
II-V-Iを制す者は全てを制す!
音楽の世界でもっとも重要なコード進行です!
音楽の世界でもっとも重要なコード進行です!
音楽理論を勉強しようとすると、至るところで必ず出てくる「II-V-I」という謎の暗号。
II-V-Iは、言わば音楽の根源。
音楽のすべてがそこに詰まっていると言っても過言ではない、基本中の基本の「お決まりコード進行」のことを指します。
今回は、そんなII-V-Iについて勉強してみましょう!
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ(ツー・ファイブ・ワン)とは
II – V – I
POPs、Rock、Fank、Jazz、Blues。
V系にアニソン、演歌からデスメタルまで。
ありとあらゆるジャンルにもっとも頻繁に登場するⅡ度、Ⅴ度、Ⅰ度で構成されたコード進行のことを「Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ(ツー・ファイブ・ワン)」と言います。
その登場頻度から、音楽の世界で最重要とも言えるコード進行です。

もしII-V-Iが登場しない(組み込めない)ような曲があるなら、紹介していただきたいくらいです!
この世に存在するほぼ全ての楽曲の中に「II-V-I」の進行が何らかの形で組み込まれています。
Ⅱ-V-Iのサウンド
II-V-Iのコード進行を演奏してみると、こんな感じ。
とにかく安定した印象を受ける音階ですね!

実際にサウンドを聞いてみると「あぁ、この響きか」と感じる方も多いと思います!
1小節1コードの場合もあれば、このように短いスパンでII-V-Iが進行する場合もあります。
覚えておきましょう。

II-V-Iにもいろんな形があるんですね!
[hukidashi_001]
II-V-Iにもいろんな形があるんですね!
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ベースの指板で見るII-V-I

度数とスケールやコードトーンの知識があれば、問題なく覚えられるかなと思います。


それぞれの音のオクターブ上下の音の位置も、合わせて確認しておきましょう!
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰについての詳しい解説

II-V-Iの各コードの機能
Gm7 – C7 – F△7
コードの機能の視点からも見てみましょう。
II-V-Iの各コードの機能を見てみると、
サブドミナント(SD)→ドミナント(D)→トニック(T)という、まさに音楽のお手本のような進行をしています。
この「音楽の縮図」のような構成のおかでげ、音楽理論のサンプルとしても引用されることが非常に多いんですね。
このBASS NOTEにも、ありとあらゆるところでII-V-Iを題材にしている解説記事がたくさんあります。

サブドミナント→TかDに進みたい音
ドミナント→Tに解決したい音
トニック→大安定のマイホーム というのが、それぞれのコードの機能でしたね!
ドミナント→Tに解決したい音
トニック→大安定のマイホーム というのが、それぞれのコードの機能でしたね!
II-V-Iは4度進行

もう一つ。
II-V-Iがここまでポピュラーになった理由について。
II-V-Iの進行を細かく見てみると、
- II度→V度は4度進行。
- V度→I度も4度進行。

上の指板の写真で例えるなら、
Gから見た4度上の音はC。
さらにCから見た4度上の音はF。 このように、それぞれの音から見て完全4度ずつ進行していくコード進行のことを「4度進行(強進行)」と呼びます!
さらにCから見た4度上の音はF。 このように、それぞれの音から見て完全4度ずつ進行していくコード進行のことを「4度進行(強進行)」と呼びます!
4度進行の響きは、
- 「絶対的な定番感!」
- 「落ち着ける安定感!」
- 「聴いてて気持ちいい感!」
とくにトニックに解決するII-V-Iの超安定した響きは、Aメロの終わりやサビの終わりなど「次のセクションに移るよ!」という雰囲気を醸し出すときに有効です。
またV7-Iという進行はドミナント・モーションと呼ばれる進行で、音楽の世界では「もっとも美味しいコード進行」のひとつになっています。
II-V-Iには美味しい要素がいっぱい!

【補足知識】
II-V-Iの正体は、大元を辿れば「IV-V-I」という主要3和音で構成されたコード進行になります。 IV度を代理コードであるII度に置き換えることで4度進行の連鎖を生んで、より強い「解決感」を生んだコード進行に仕上がっているんですね!
II-V-Iの正体は、大元を辿れば「IV-V-I」という主要3和音で構成されたコード進行になります。 IV度を代理コードであるII度に置き換えることで4度進行の連鎖を生んで、より強い「解決感」を生んだコード進行に仕上がっているんですね!
II-V-Iの展開形について

【少しだけ中級者向けの話】
このようなコード進行表を渡されたら、僕なら「はいはーい、ただのII-V-Iね!了解〜!」と頭の中で整理します。
一見セカンダリードミナントや裏コードなどの音楽理論で複雑に掻き回されていますが、その芯にあるのは何の変哲もないただのII-V-Iの進行です。
II-V-Iは、アレンジャーの腕ひとつでどこまでも複雑に発展していきます。
逆に言うと、この世に存在する楽曲は すべてII-V-Iから派生して作られていると言っても過言ではないでしょう。
逆に言うと、この世に存在する楽曲は すべてII-V-Iから派生して作られていると言っても過言ではないでしょう。

理論をどんどんこじつけてくと、ほとんどの進行は最終的にただのII-V-Iへと帰化します!
【豆知識】ベースのチューニングも4度進行

低音弦側からベースの開放弦を順番に鳴らすと、なんと立派なII-V-I進行の音になります。

この場合だと、E-A-Dという進行になり「Dに向かうII-V-I」が完成します!

E弦、A弦。5弦ベースの方はB弦。
どの弦から始めても、開放弦は4度進行の音になります。
普段チューニングのときに聞いている音こそが、II-V-Iのサウンドだったんですね!

ベースは4度圏チューニングの楽器なので、低音弦側から順番に同じフレットを演奏するとⅡ-Ⅴ-Ⅰの進行が完成します!
※開放弦は0フレットを弾いていると捉えてください。
ジャズとⅡ-Ⅴ-Ⅰについて

例えば。
こちらはジャズセッションの定番曲、Fly me to the moonのコード進行表です。

Key=Am(C)のリードシートになります。
どの部分がII-V-I進行になっているか探せますか?
どの部分がII-V-I進行になっているか探せますか?

じゃじゃん。
なんということでしょう。
II-V-Iだらけです。
というか、ほぼII-V-Iだけで作られています。
このように、ジャズスタンダードの楽曲はII-V-Iを主軸にしてコード進行が組み立てられている曲がたくさんあります。
これを見ると「II-V-Iは超重要な必須知識!」ということがよく分かりますね!


赤の矢印はV→Iの進行。 青の破線は「主音=I度」以外のII→Vの進行。
赤の波線矢印は上記II-Vから見たV→Iの進行。 ――を、それぞれ表しています。 重要ではないので、今は流し読みでOKです!
Ⅱ-Ⅴ-Ⅰを探し出せるようになろう

ジャズを弾いてみたい!
アドリブができるようになりたい!
アドリブができるようになりたい!
II-V-Iこそがジャズらしさであり、II-V-Iしている部分は「ジャズらしいフレーズ」を演奏できる絶好の機会です。
II-V-Iを制す者がジャズを制す!
4度進行を意識できるようになりましょう!

如何に早くII-V-I進行の小節を見つけられるかが、難解なジャズ攻略の鍵になります!
II-V-Iにおけるディグリーネームの意味について
Dm7 – G7 – C△7
Em7 – A7 – Dm7
Em7 – A7 – Dm7
最後に一点だけ補足です!
II-V-Iについて考えるときは、ゴールになる音を「I度」として捉えて度数を数えましょう!
曲中には色んなII-V-Iが隠れているので「Key=Cの曲ではDm7-G7-C△7の部分がII-V-I進行」と丸暗記してしまうのは危険です。
とくに前述のジャズの世界だと、せっかくの美味しいII-V-Iポイントを見逃してしまう可能性があるからです。
Key=Cの楽曲中でEm7-A7-Dm7というコード進行が出てきた場合は「Dmに向かうII-V-I」と表したりします。
※本来DmはKey=Cから見るとII度のコードです。
場数を踏んで慣れてくると「これは○○に向かうII-V-I」というコード進行が、瞬時に判別できるようになってきます。
Check
「ゴールになる音がI(ワン)になる!」
これを覚えておきましょう!

ディグリーネームは必ずしもKeyの主音をI度として数えるワケではないので注意!
Keyに縛られずに4度進行を見つけられるようになりましょう! 詳しくは「初心者のための度数の数え方」の記事で解説しています。
Keyに縛られずに4度進行を見つけられるようになりましょう! 詳しくは「初心者のための度数の数え方」の記事で解説しています。
II-V-I まとめ

音楽の大切なことが全部ギュッと詰まったようなコード進行、II-V-I(ツー・ファイブ・ワン)。
これから作曲やアドリブ演奏のために音楽理論を勉強していくプレイヤーさんにとっては、一生の付き合いになる進行です。

まずは指板上のこの配置だけ、いつでも気付けるように覚えておいてください!
今までも知らず知らずのうちにあちこちでII-V-Iに触れてきているはずなので、難しく考えなくても大丈夫です!
楽器の練習を続けていれば、知らず知らずのうちにイヤでも身についてくると思います。