
こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
これを知らなきゃ何もできない!
そんな音楽理論の原点にあたる部分を勉強してみましょう!
ダイアトニックコード。
すべての音楽の基盤になる部分です。
算数で例えるなら「足し算のやり方を勉強しよう」みたいな部分です。
音楽理論を買うと、必ず一番最初の項目に書いてあるような内容になります!
- 楽曲のKeyの判別
- コードの仕組み・構成音
- 演奏に使える音の分析
などなど、音楽理論に関係するほぼ全ての項目でダイアトニックコードに関する知識が必要になってきます。
「ダイアトニックコードなんて初めて聴いたンゴ…」
というプレイヤーでも大丈夫!
この記事を読み終わる頃にはしっかり理解できるようになります!
ダイアトニックコードの勉強の前に
……ダイアトニックコードを理論的かつ真面目に説明していくと、間違いなくこんな感じになってしまうので。
BASS NOTEでは、超わかりやすく完結に、必要最低限な部分だけを抜き取って解説していきます。
効率重視!
最速でダイアトニックコードを理解していただきます!
厳密な知識を勉強したい方は、別途詳しく調べてみてください。
ダイアトニックコードとは
ダイアトニックコードの基本

「Key=Cのダイアトニックコード」
こちらはKey=Cのダイアトニックコード。
この7つのコードが、Key=Cの楽曲に使用されるメインのコードの一覧になります。
もちろん、アレンジによってダイアトニック以外のコード(ノンダイアトニックコード)もたくさん登場してくるんですけども。
基本的には、楽曲に使用されるコードはこのダイアトニックコードの中から構成されることになります!
このダイアトニックコードの構成を理解するために――

まずは上記の図を丸暗記しましょう!
これはもう、こういうものなんだと割り切って覚えましょう。
これが「ダイアトニックコードとは」の答えです!
これを覚えるだけで9割理解したことになります!
僕は専門学生の頃に、とくに詳しい説明も無いまま声に出して暗記させられました。
今はよく分からなくても後々になって必ず役に立つ知識なので、絶対に丸暗記したい構成です!
Ⅰ 度メジャー
Ⅱ 度マイナー
Ⅲ 度マイナー
Ⅳ 度メジャー
Ⅴ 度メジャー(だけどセブンス)
Ⅵ 度マイナー
Ⅶ 度マイナーフラットファイブ
覚え方のコツとしては、
1度・4度・5度はメジャー系。
残りはマイナー系になります。
専門学校で覚えるときは「ドーレーミーファー♪」の音程で「1メジャー2マイナー3マイナー4メジャー♪」って歌わされました。
ダイアトニックコードの機能について

丸暗記ついでにもうひとつ。
ダイアトニックコードには、それぞれ「機能(Function)」が割り当てられています。
こちらも音楽を勉強していくうえで非常に重要になるものなので、あわせて覚えちゃいましょう。
「なんだし、なんだし、AGC♪」のリズムで
「ティーエス、ティーエス、ディーティーディー♪」と
丸暗記しちゃいましょう。
TSTSDTD!
TS,TS,DTD!
コードの機能(コード・ファンクション)について
コードの「機能」は大きく分けて三種類。
- T … Tonic(トニック)
- S … SubDominant(サブドミナント)
- D … Dominant(ドミナント)
T(トニック)は最強の安定感を誇る性質を持つ。
D(ドミナント)は最強の不安定感でトニックに戻りたがる性質を持つ。
SD(サブドミナント)はその中間。TにもDにも行きたがる性質を持つ。
このイメージはざっくりと知っておくだけで良いです!

濃い色のT, S, Dがメインでその役割を担う音。
薄い色のT, S, Dは「メインの代理に使えるかな」くらいの音。
本来ならIV△7がサブドミナントの第一人者!
まぁIIm7に代わりを担わせてやってもいいけどネ。
――みたいな認識で良いと思います。
◆I△7 = T
◆IV△7 = S
◆V7 = D
最悪この3つだけ覚えていれば何とかなります!
Ⅰ△7, Ⅳ△7, Ⅴ7は音楽理論の世界では非常に重要な扱いを受ける音価となっています。
セッションの際のミュージシャンの世界共通言語「3コードのブルース」も、このI度・IV度・V度の3コードから構成されています。
IIIm7はトニック?ドミナント?
【余談】
音楽の先生や理論書の多くは、III度は「トニックの代理である」と解説しています。
BASS NOTEでも「IIIm7はTの機能を持ってるよ!」と説明していますが、
と主張する方もいると思います。
今は「まぁ音楽なんて『諸説あり』だらけの世界だから!」くらいに思っておいて良いと思います。
機能和声の視点でみると、IIImはドミナントの音になります。
詳しくは後日改めて解説します!
ダイアトニックコードの成り立ち

ほんの少しだけ専門的な話も。
五線譜に並べてみるとすっごく分かりやすいんですけど、ダイアトニックコードは綺麗に3度ずつ音を重ねて作られています。
一番下のルートの音は、左から順番にドレミファソラシ。
それを基準に、
- ドミソシ
- レファラド
- ミソシレ
と4和音が構成されています。
視覚的に「オタマジャクシが音1コ飛ばしで4つ重なっている」ということだけ分かっていただければ完璧です!
なんとなくで良いので、覚えておきましょう!
指板とリンクさせて覚えよう

覚えたダイアトニックコードを、メジャースケールの形に並べてみました。

こうして見てみると、 メジャー系だったI度・IV度・V度はL字型に配置されています。
覚えやすいですね!
I度、IV度、V度のコードは主要3和音(スリーコード)と呼ばれ、とくに音楽の世界では重要なコードになります!

主要3和音は、メジャースケールの配列でもマイナースケールの配列でもルートから見ると同じ位置になります。
マイナーキーのダイアトニックについて
これまでのメジャーダイアトニックコードの重要度を100とするなら、この項目の重要度は20くらいです。
実戦では常にメジャーダイアトニックコードを基準にして演奏するので、ほとんど使いません!
この項目は知識のひとつとして流し読みしてください!

スケールと同じように、メジャーキーの6番目から並べ直すとマイナーのダイアトニックコードが完成します。

メジャーキーではIV度にあった音が、マイナーキーではI度になります。

実音で比べてみると分かりやすいですね!
Key=CとKey=Amは平行調なので、まったく同じ音が使われています!
マイナーダイアトニックの機能について

一点だけ違うのは、コードの機能がTSTSDSSという並びだということ。
おまけに「IV△7はトニックにもなれるよ!」という厄介なオマケつき。
今後音楽理論を勉強していくうちにすべての辻褄があって「なるほど!!」と思うときが必ずくるので、それまでは「ふーん、覚えとこ」くらいに思っておいて良いでしょう。
知識としてなんとなく触れておきました。
ダイアトニックコードを使って楽曲のキーの判別をしてみよう
ダイアトニックコードの具体的な使い方のひとつとして「楽曲のKeyを分析する」というものがあります。
楽曲のコード進行が分かる場合は、ダイアトニックコードから曲のKeyを逆算することができます!
楽曲のkeyを割り出せるようになると
- 使えるスケールが判断できるようになる
- 即興で合わせられるようになる
- コードの予測がしやすくなる
- 耳コピの効率があがる
などなど、音楽の幅を広げられるメリットがたくさんあります!

- メジャー系のコードはⅠ度, Ⅳ度, Ⅴ度の3つだけ
- メジャー系コードが全音の関係で隣り合っている部分はⅣ度, Ⅴ度だけ
- 7thコードはⅤ度だけ
- マイナーコードが全音の関係で隣り合っている部分Ⅱ度, Ⅲ度だけ
- m7(b5)コードはⅦ度だけ
などのダイアトニックコードの法則を利用して、I度の音(Keyの音)を導き出します。

ダイアトニックコードからKeyを導き出す方法については「【初心者向け】ダイアトニックコードから曲のキーを分析してみよう!」の記事で詳しく紹介しています。
少しだけ難しい内容ですが、知っているととっても便利なのでぜひ勉強してみてください!
楽曲のキーを調べる方法
「【楽曲のキーを調べる方法】楽譜がなくても5秒で解析!」の記事では、ダイアトニックコードを使わずにキーを調べる方法を紹介しています。
- 耳コピで導き出す方法
- 調号から判断する方法
こちらも合わせて参考にしてみてください!
まとめ

すべての音楽理論の要、ダイアトニックコードについて駆け足で解説してみました。
まずは、
- 1度メジャー
- 2度マイナー
- 3度マイナー
- 4度メジャー
- 5度メジャー(だけどセブンス)
- 6度マイナー
- 7度マイナー(フラットファイブ)
という7つのコードの配列と、
- T … Tonic(トニック) = 超安定
- S … SubDominant(サブドミナント) = 不安定
- D … Dominant(ドミナント) = 超不安定
こちらの3通りのコードの機能について、丸暗記してみましょう。
この先、音楽理論を勉強していくうえで100%必要になってくる最重要な言葉です。
今はよく分からなくても、この配列だけ覚えておけば必ず役に立つときがきます!
【追加課題】実際に楽曲を分析してみましょう!
「ヨドバシカメラの歌を分析してみよう!」という記事を投稿しました。
今回のダイアトニックコードに関する知識があれば、十分に理解できる内容だと思います!
ぜひ挑戦してみてください!