こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
生徒さんからの質問です。
Question
「どうやって曲のキーを判断したら良いのか分かりません」
Answer
楽譜がない場合は「終止感」のある音を探してみましょう!
譜面があるときは、調号やダイアトニックコードから割り出すことができます!
生徒さんのバンドとスタジオに入ると「なんで即興で合わせられるんですか?」なんて驚かれることが多々あるんですけども。
その答えは、ずばり「曲のKeyを瞬間的に判別できるから」です。
曲のKeyを判別できるようになると、知らない楽曲でも即興でセッションできるようになります!
ほかにも、楽曲のKeyが分析できると
- 使えるスケールが判断できるようになる
- コードの予測がしやすくなる
- 耳コピの効率があがる
などなど、音楽の世界を広げることができるメリットがいっぱい!
◆耳コピで導き出す方法
◆調号から判断する方法
◆ダイアトニックコードから分析する方法
いくつか紹介するので、自分にあった手法で挑戦してみてください!
楽曲のキーの調べ方について
楽譜がない場合のキーの判別方法
終止感のある音からキーを導き出す
まずは楽譜情報のない場合のKeyの判断の仕方から。
僕は初心者の頃は「終止感のある音から導く」という戦法で曲のキーを判断していました。
- メロディーの最後の音がキーの音になる可能性が高いよ!
- 「終わった感」がある音がキーの音だよ!
という法則に則った手法になります。
難しい音楽理論や感性などに頼りたくない場合には、おそらくこの方法が一番かんたんで手っ取り早いです。
メロディの終わりの音は、主音のコードトーンや平行調のトニックなどキーを判断するための重要な音に着地している場合が多いんです!
その性質を利用して曲のキーを調べてみましょう!
②指板上から使用されているスケールを探す ③ スケールの主音を割り出す ③’ メロディの最後の音を耳コピする
③” 終止感のある音を想定する
大まかな手順は上記の通り。
特定したスケールに疑いようがなければ③。
イントロの最後の音に終止感があれば③’。
③’に違和感があれば③”でKeyを判断します。
イメージとしてはこんな感じでしょうか。
イントロが終わるまでにスケールを特定して、最後の一音を当てにいきます。
もしくは、こんな感じ。
「自分がアウトロを作るならこの音で締める!!」というように終止の音を想定できるようになるとアナライズの効率があがります。
たくさん音楽を聴いて終止感を判断する力を身につけましょう!
瞬間的にメロディを耳コピができる技術が必要ですが、とにかく的中率が高くてオススメです!
慣れてくると、曲が始まってから5秒以内に使用しているスケールやトニックの音が分かるようになってきます!
メドレー動画などで練習してみると、耳コピの能力とKeyの判断力がどんどん上達します。
こればっかりは小手先の技術や知識よりも場数勝負。
たくさん練習してみましょう!
メロディのコピーがどうしてもできない場合には「メロディの中で印象強く使われている高音を探す」という方法もあります。
2弦あたりを1フレットからギューーーンと12フレットまでスライドしていくとメロディを邪魔しない音にぶつかるので、その音を軸にスケールを探し当てます。
これも音感が必要だけどネ。
「終止感のある音」でトニックのルート音が分かったら、次に判断しなくてはいけないのは調の長短です。
メジャー調なのかマイナー調なのか。
これは楽曲の雰囲気や、メロディの流れで判断していくことになります。
ほとんどの場合はメロディを追っているうちにスケールが特定できるので、メジャー・マイナーに困ることはないと思うんですけども。
やたらとm3度の音が強調されていたり、分かりやすくメジャーペンタトニックでフレーズが構成されていたり。
楽曲の中に散りばめられているヒントをもとに、メジャーとマイナーを判断してみましょう。
耳で判断できるようになるのが理想ですが、特定した主音からメジャースケールとマイナースケールをそれぞれ弾いてみて確認することもできます!
コード進行からキーを導き出す
メロディの細かい耳コピが苦手な人には「コード進行からKeyを判断する」という方法がオススメしています。
ダイアトニックコードからKeyを判断することに慣れてくると、コード進行を聞いただけでKeyの主音が分かるようになってきます。
ダイアトニックコードからKeyを導き出す方法に関しては、この記事の後半で詳しく解説しています!
- Ⅳ – Ⅴ – Ⅲ – Ⅵ
- Ⅲ – Ⅰ – Ⅱ – Ⅴ
- Ⅰ – Ⅵ – Ⅱ – Ⅴ
- Ⅵ – Ⅴ – Ⅳ – Ⅰ
たくさん楽曲をコピーしていくうちに、こんな感じでお決まりのコード進行が瞬時に分かるようになってきます。
コード進行さえ分かってしまえば、1度(つまりKeyの音)を相対的に判断することができます。
コード楽器やベースラインだけを聞き取ればいいので、こちらの方法のほうが耳コピの難易度は低めです。
譜面がある場合のキーの判別方法
五線譜がある場合は調号からキーを導き出す
五線譜がある場合は、楽譜の冒頭に表記されている調号から判断するのが一般的です。
#・♭の数からKeyを導きます。
調号の覚え方については「ベーシストのための指板で分かる調号の覚え方」の記事で詳しく解説しています。
#1つでKey=G、#2つでKey=D …
♭1つでKey=F、♭2つでKey=B♭ …
という具合に、12個の調が判別できるようになっています!
コード譜がある場合はダイアトニックコードからキーを導き出す
楽曲のコード進行が分かる場合は、ダイアトニックコードから曲のKeyを逆算することができます。
- メジャー系のコードはⅠ度, Ⅳ度, Ⅴ度の3つだけ
- メジャー系コードが全音の関係で隣り合っている部分はⅣ度, Ⅴ度だけ
- 7thコードはⅤ度だけ
- マイナーコードが全音の関係で隣り合っている部分Ⅱ度, Ⅲ度だけ
- m7(b5)コードはⅦ度だけ
というダイアトニックコードの法則を利用して、I度の音(Keyの音)を導き出します。
ダイアトニックコードからKeyを導き出す方法については「【初心者向け】ダイアトニックコードから曲のキーを分析してみよう!」の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
譜面なしでKeyを判断するためには、どうしても耳コピが必要になってきます。
瞬間的に曲のKeyを分析する必要がある人=中級者以上の人
ということで、今回の内容は少しだけ難易度高めでお送りしました。
僕は楽器を始めた頃から「TVから流れてきた音楽と片っ端からセッションしてみる!」みたいな遊びをしていたおかげなのか、曲のKeyを分析する力は自然と身についていました。
いくつか手法を紹介しましたが、結局のところ慣れが9割なんだと思います。
楽曲のKeyを判断できるようになれば、世界が広がること間違いなし!
まったく知らない曲でも、その場で合わせられるようになります。
たくさん練習して、ぜひぜひ習得してみてください!