こんにちは、ベース講師の和明さん(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterから質問を頂きました。
Question
「上手い人がえらい」「プロのほうが凄い」みたいな風潮についてどう思いますか?
やっぱり楽器の世界ではアマチュアよりプロのほうが立ち位置は上だと思いますか?
やっぱり楽器の世界ではアマチュアよりプロのほうが立ち位置は上だと思いますか?
Answer
天地がひっくり返っても、そんなことは絶対にないと思います!!
いったい何処の誰だね!
そんな幻想を広めたヤツは!
そもそも音楽において偉い・凄いって何だね!
楽器なんて、楽しんだもん勝ちです。
弾けなかったフレーズが弾けるようになるのが嬉しい!
演奏動画をアップして反応をもらうのが嬉しい!
仲間とバンドでセッションするのが楽しい!
ただ楽器を触っているだけで楽しい!
なんか知らないけど全部最高!
それ以外に、何か必要ですか?
「プロ」と「アマチュア」って、そもそも根本的に土俵が違うんです。
言うなれば剣道と柔道。異種格闘技です。
なので、立ち位置の優劣をつけるコト自体がそもそもナンセンスなんです。
ついでに言うと、
プロのほうがアマチュアより凄い・上手いという固定概念も大間違いでしょう。
テレビに出ているバンドさんに対して
1: 名無し 2019/01/31(木) 00:00:00.00みたいなコメントをネット上で見かけることはありませんか。
あんな下手なのにプロなんて……
これは、そもそも「プロ」の定義がどういうものなのかを正しく理解していない証拠です。
今回の記事では「プロとは何なのか」というところからお話していきましょう。
今回の内容は完全に和明さん個人の考え方なので、賛否両論あると思います。
それを踏まえてお付き合い下さい!
質問に対する答えを手っ取り早く読みたい方は、後半まで読み飛ばしてください!
プロとアマチュアの違いについて
まずは「上手いこと」がプロの条件だと思っている人が多すぎる問題から解決していきましよう。
プロにとって「楽器の演奏技術」というのは実は二の次なんです。
プロとして本当に大切なことを満たすためのパズルの1ピースでしかないんです。
では、その本当に大切な部分とは一体何なのでしょうか。
大切なのは稼ぎ続けられるか否か
ズバリ、プロとして重要なことは
「稼ぎ続けられるか否か」です。
創作屋さんでも技術屋さんでも、どんな世界でもそれは同じです。
「自分のスキルをお金に変えることができる人」のことをプロと呼びます。
我々ベーシストの場合だと「ベースの演奏技術を換金し続けられる」というのがプロの条件になります。
- リズム感が良い
- 楽譜が読める
- 演奏技術が凄い
そういうものは稼ぎ続けるための追加オプションでしかありません。
「演奏が上手い」というのは、技術を換金するため――つまり需要を得やすくなるための条件に過ぎません。
言い方を変えると、ブランディングやマネタイズなど演奏を稼ぎに繋げる手段が確立しているなら、演奏が上手い必要なんてないんです。
細かいところを言えば、
- 市場の需要に答えられるか否か。
- 納期を守れるか否か。
- 自分にストイックでいられる否か。
ケイスケホンダであるか否か。
それ等もすべて、稼ぎ続けるために必要な要素です。
プロとアマの境目
以前「専門学校に入ったらプロになれますか?」という記事で『上手いけどプロじゃない人』について書いたことがあります。
「プロの人」と「上手い人」。
この違いのひとつとして「稼ぎを維持できる能力があるか否か」という部分が挙げられるわけです。
プロに上手い・下手は関係ない
繰り返しになりますが、技術の上手い・下手というのはプロとアマチュアの境界の判断基準にはなりません。
例えば。
僕は楽器の先生・演奏屋さんとして音楽を仕事にして生活しています。
肩書きで言えば、これでも一応プロのベーシストです。
個人事業主として、ちゃんと確定申告も毎年行ってます!
▶【ミュージシャンのための確定申告講座】基礎知識編 確定申告とは?
しかし、僕はプロになりたくてなったわけではありません。
たまたまご縁があって現場に立たせてもらえるようになっただけ、技術のレベルで言えば「まぁ人前で演奏しても文句言われない程度」ではないでしょうか。
僕なんかより遥かに高い技術を持っている生徒さんも沢山いらっしゃいます。
生徒さんに向かって「え!何そのカッコいい弾き方!?僕にも教えて!!!」なんて言うのは日常茶飯事です(笑)
こんな僕ですが、音楽を仕事にして生きています。
つまり、そこまで凄い技術を持っていなくてもプロになれるということです。
もちろん、需要を得られる程度の知識やスキルを持っていることが大前提ですけどネ。
技術は二の次
仕事として稼ぎ続けることができる信頼とマネジメント能力があれば、演奏の上手い下手は二の次です。
「プロミュージシャンになるために楽器の練習を頑張る」というのは、極端なキツい言い方をしてしまえば検討違いなんです。
いくら楽器の練習だけを頑張ったところで「楽器が上手い人」にしかなれません。
本気でフリーランスとしてプロを目指すのであれば、もっと経営学の勉強や、技術を換金できる導線作りに力を入れるべきでしょう。
少なくても、僕の場合は学生の頃から「ビジネス思考極振り」で過ごしてきました。
その結果、今こうして音楽を仕事にしています。
まずはここまでの流れで、プロアマ・上手い下手で甲乙をつけるのは無意味!ということが伝われば幸いです。
プロって偉いの?
さて、ここまでの知識を踏まえた上で 改めて冒頭の質問について触れてみましょう。
「上手い人がえらい」「プロのほうが凄い」みたいな風潮についてどう思いますか?A.そんな不毛なこと考えてる時間がもったいないよ!もっと純粋に楽器をエンジョイしたらどうだい?ベイベー!
やっぱり楽器の世界ではアマチュアよりプロのほうが立ち位置は上だと思いますか?
というのが僕からの回答です。
まず、これは僕の自論なのですが。
楽器の世界において最強の立ち位置にいるのは「音楽を楽しんでいる人」です。
プロアマ問わず、弾ける弾けない関係なく、音楽を心から楽しんでいる人の勝ちです。
大事なことなので、冒頭で伝えたことをもう一度。
弾けなかったフレーズが弾けるようになるのが嬉しい!
演奏動画をアップして反応をもらうのが嬉しい!
仲間とバンドでセッションするのが楽しい!
ただ楽器を触っているだけで楽しい!
なんか知らないけど全部最高!
それ以外に、何か必要ですか?
筆者の場合
例えば、僕の場合。
金銭の契約が発生する以上、そこに責任と義務が生まれます。
気分が乗らなくても、なにか問題を抱えていても、その責任を果たさなければいけません。
音楽が地獄のような苦痛に変わることも少なくありません。
でも、やるしかないんです。
やらなきゃ文字通り収入がなくなって、生きていけなくなるからです。
……そんな真っ黒な音楽やってる人が、凄いと思いますか?
立ち位置について
それから、上下関係・立ち位置について。
バンドやオーケストラにおいて、メンバーを取りまとめる「リーダー(偉い人)」が必要なのは分かります。
そのほうが練習も事務も効率的だからです。
でも、優劣をつける意味って何でしょう?
例えば、より速く正確にフレーズが弾ける順番に順位を付けたとします。
…それで何かを効率化することができるでしょうか。
無意味じゃないですかね。
楽しんだもん勝ち!
ということで、楽しんだもん最強!というのが僕の結論です。
ここまで記事を読んでくれたあなたは、今楽しんでますか?
つまらないことに目くじら立ててしまっていませんか?
本来の楽器の楽しさを、忘れていませんか?
楽しんでいるなら、万々歳!
周りの言葉や評価に流され続けている人は、まずは深呼吸!
これを機に、本当に大切なことを思い出して!
楽器はもっと楽しいものだったはずですよ!
たしかに!という内容。プロアマの違いは明確にあるけど、えらいとかすごいとかはないのよね。 https://t.co/jVZw2KnHGZ — あいり (@kkk11_7) 2019年1月31日