ベーシストにはエフェクターを使わないという選択肢があるんです

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こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。

先日、セッション会のサポートに伺った際に高校生のベーシストさんから頂いた質問です。

Question

「なんでエフェクター使わなくてもそんなに音色変えられるんですか?」
僕は普段、シールド1本でアンプ直・DI直のスタイルです。
度々このブログでも書いているんですけど、単純に重い機材を運ぶのが嫌なんですね(笑)
そのビルドを貫いていると、ちょっとした能力が身につくんですよ。ふふふ。

今回の記事では、エフェクターを使用しないという選択肢についてお話してみたいと思います。

エフェクターを通すことを前提にしない

まずは、少しベースが弾けるようになってきた人にありがちな勘違いや失敗についてお話しましょう。

エフェクターの数=上手さ説

「エフェクターをたくさん持っている人が上手い人」

上手な先輩の足元を見たのか、はたまた雑誌の特集でプロの足元の機材を見たのか。
何故か不思議と浸透しやすい、この考え方について。
これに関しては自信を持ってお答えしたいと思います。
否!断じて否!

いわゆる『エフェクター収集期』みたいな時期は、思春期みたいなもので音楽人なら必ず通る道だと思うんですけど。
集めたエフェクターを取捨選択できないで、ありったけのストンプを足元に並べているプレイヤーってどう思いますか…?
実際、僕の周りのスタジオミュージシャンは基本アン直スタイルの方が大半です。

プリアンプ依存症

「SANSAMPを通さないと戦えない!」

「MXRのM80がないと良い音で弾けない!」
「とりあえず良い音」になっちゃう系の魔法の箱に、自らのビルドを蝕まれている状態。
これに関して僕が言えるのは、たった一つ。
危険ですよ!その病気!

僕も「研究材料」みたいな感じでSANSAMPもBass D.I. +も持ってますけど。
正直「そのキャラクターの音になってしまうプリアンプ」というのが僕は嫌いで。
実戦に投入したことは一度もありません。
もちろん、ソロパフォーマンスが必要な場面ではいろんなプリアンプやエフェクターにお世話になりますけどね(笑)

エフェクター依存は自己の成長を止める

例えば、コンプレッサー。
有名所だとEBS MULTICOMPですね。
音粒が揃って、サウンドが太くなっちゃう魔法の箱です。
やっぱりこのエフェクターも、通すだけでうまく聴こえちゃうんですね。

このエフェクターの能力に取り憑かれてしまった結果、どうなってしまうのか。
ダイナミクスをつけたプレイがド下手になります。
指先でのピッキングのコントロールは、それだけで音色を変える大きな要因の一つです。
そのニュアンスの付け方が身につかないまま時間を過ごすことになるんですね。

また、楽器本来が持っている性能を忘れてしまいます。
自分の楽器の持ち味、レスポンス、得意不得意、そういうステータスが「コンプ前提」でしか捉えられなくなってしまいます。
マルコンに慣れすぎていると、バイパスした瞬間に「あれ…?」ってなるはず。

とはいえ、マルコンは素晴らしいストンプであることは間違いないので。
今後マルコンと心中する覚悟があれば、思い切りお世話になってしまっても構わないと思います(笑)

弾き比べってしたことありますか?

  • 同じベース
  • 同じシールド
  • 同じアンプ
  • 同じセッティング
この状態で他の人と楽器を持ち替えた際に、プレイヤーのレベル差が明確に出音に反映されます。

そのレベル差はどこで生まれるのか。
その答えがエフェクターへの依存です。

楽器本来の味を大切にして

冒頭の質問にお答えしましょう。
僕がエフェクター無しでもある程度の音作りを行えるのは、楽器本来の味をよく知っているからです。
普段からエフェクターを通した演奏をしていないので、どういう力加減でどんな音が出るのかを、より明確で繊細に把握することができるんですね。

また、アンプのみで音作りできるっていうのはとっても大切で。
どんな現場にも瞬時に対応できるようになったり。セッティング時間が大幅に短縮することができたり。
良いことづくしなのであります。

まとめ

足元に巨大なエフェクターボードを構えて《要塞化》させているのも、またかっこいいんですけど。
アン直で演奏できるっていうのも、1つのかっこよさだと思います。
出力の大きい暴れ馬を手元でコントロールしてあげることができたり。
ギャリギャリしたサウンドをアンプだけで再現できたり。

一流のプレイヤーならベースに合わせてもらうんじゃなくて、自分がベースに合わせてあげられるようになりましょう。
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