こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
みんなの憧れ、ワイヤレス演奏環境。
ライブはもちろん、自宅での練習でも気軽に立ち歩けるようになるので利便性アップ間違い無しの神アイテムであります。
が、しかし。
まともな商品を選ぼうとすると、お値段がそこそこ張ってしまうのもまた事実。
上記のSHURE GLXD16は税込価格で¥47,000以上です。
学生さんやお小遣いの少ない旦那様たちには、気軽に手を出せる代物ではありません。
そこで。
「なんとかして安価にワイヤレス環境を構築できないか」僕も講師になる前、学生時代に考えたことがあったんです。
で、貧乏なりに色々実際に試しました。
その時の結果を、今一度再現して皆さんにお話してみたいと思います。
Bluetoothによるワイヤレス化
ワイヤレスといえば無線。無線といえばBluetooth。
世の中にはBluetooth非対応の機器を無線化するための送信機・受信機が発売されています。
Bluetoothの送受信機をギター・ベースに応用できないかと考えました。
つまりは、こういうことになります。
「安価なBluetooth機器を使ってワイヤレス環境を構築できないか」
Bluetooth機器
今回検証に使用する機材はこちらになります。※持ち合わせの機器での検証になるので、2017年12現在の最高峰の性能を誇る機材でのテストではありません。悪しからず。
トランスミッター(送信機)
TaoTronicsさんから発売されているTT-BA07。
aptXコーディック対応のクリアなサウンドが約束された、Bluetooth4.1対応のトランスミッター。
Bluetoothに対応していないテレビやラジオの出力を無線化することができる送信機です。
スイッチ一つでレシーバーにも切り替わる優れもの。
レシーバー(受信機)
AUKEYさんから発売されているBR-C1。
A2DP、AVRCPに対応したBluetooth3.0のステレオオーディオレシーバーです。
普通のイヤホンを無線化したい時などに使用できる商品です。
僕は普段ミキサーのinputにつなげて、ipadやMacbook Airからの出力を受信するために使用しています。
もちろんBluetooth4.1/apt-Xでも試しました
上記のレシーバーがBluetooth3.0に最適化された少し古めの機種だったので。
トランスミッターと同じBluetooth4.1に最適化されているワイヤレス片耳イヤホン、YEMENRENさんのS2や。
apt-X対応のワイヤレスイヤホン、MpowさんのSeals(販売終了)でも同様のテストを行いました。
結果としてBluetooth3.0の受信機とレスポンスの変化がほとんど見受けられなかったので、この記事ではBR-C1を使って検証を進めていきます。
※厳密にはapt-X対応機器同士の接続が最もレスポンスが少ない状態になりましたが、たどり着く結果は同じでした。
検証
TT-BA07をTX(トランスミッター)モードに切り替えます。
トランスミッターとレシーバーをペアリングさせて、準備完了です。
ベース本体にトランスミッター(送信機)を接続します。
これで、無線での接続は完了です。
結果は・・・
じゃん。
結果はご覧の通りです。
実戦投入不可能レベルの遅延。
無理です。
Bluetooth機器での無線代用は、諦めましょう。
原因
Bluetooth通信に遅延(レイテンシ)が発生する原因はプロファイルの仕様によるものです。
高音質コーデック《aptX》では70ms前後の遅延が発生します。
最新の「aptX Low Latency」でも40ms前後の遅延が発生してしまいます。
この遅延は「仕様なので仕方がない」というのが現状です。
一般に「音ゲーのプレイにBluetoothイヤホンが向かない」とされる理由も、この遅延が発生するためです。
音楽を聴くときには全く気にならないような遅延も、演奏の際には大打撃。
70msは音楽的に言うと、BPM214の16分音符1つぶんに値します。
瞬間的な発音が必須となる弦楽器の演奏の上では、かなり大きい数値です。
結論
安価に手っ取り早く機動性を求めたいのであれば。
①5m以上のシールドを利用する
②Xviveのワイヤレスシステムを利用する(¥15,000以下/遅延6ms前後)
このあたりが賢い選択なのではないかな、と。
以上、検証結果でした。