こんにちは、ベース講師の和明さん(@KAZUAKI_virgiL)です。
3月9日「ミクの日」にEUB(アップライトベース)の演奏動画をアップしました。
今回は、この動画のレコーディングのときに実際に使用した音作りのセッティングについての紹介です!
アップライトベースの音作り
演奏環境「魔導書」
今回の音作りは「魔導書」のみで完結させています。
出音に影響する機材はZOOM MS-60Bのみです。
「魔導書」システムの中枢を担うZOOM MS-60Bのレビュー記事はこちら!
142種類の高品質エフェクトを搭載した最強のマルチエフェクターです!
ZOOM MS-60Bのセッティング
M Comp
まずは「M Comp」から。
EBS社のMultiCompのモデリングコンプレッサーから。
アップライトベースの立ち上がりの遅さをカバーするために、いつもより少し強めのセッティングを採用。
M Compはコンプ特有のペッコペコにサウンドになりにくいので、アップライトベース本来の持ち味を殺さずにアタックを調整できるのが魅力ですね!
Bass BB
続いて、今回の音作りの主役「Bass BB」。
Xotic社のBass BB Preampのモデリングプリアンプです。
生のコントラバス(ウッドベース)特有のギャリギャリした弦の音や、バチバチするタッチノイズを再現するために、このBass BBでTREBLEを稼いでいます。
もうひとつ重要なのがGAINのパラメータ。
GAINの量はピッキング時の音圧に強く影響するので「アップライトベース臭さ」を出すためにはココの数値の設定が重要になります。
GAINを上げれば上げるほど軽いタッチで演奏できてしまうので、サウンドがエレキベース臭くなってしまいます…!
自分の演奏のクセと合わせて微調整を重ねながら、
- 強いピッキングが必要な位置
- 絶妙に音が汚れる位置
アップライトベースの出音は、ピッキングのニュアンスに大きく左右されます!
Arena
リバーブ「Arena」。
MS-60B公式の記述はないのですが、こちらはTC Electronic社のArena Reverbのモデリングでしょうか。
生楽器の箱鳴りの残響を再現するために、薄くリバーブを混ぜています。
ほとんど誤差の範囲なので、ここは職人のこだわり…というか趣味の世界。
残響を混ぜると少しだけ古くささが出るのがお気に入り。
空間系のエフェクトを使用するときには、強くかけ過ぎて音が濁ってしまわないように注意しましょう!
SVT
最後にアンプシミュレーターとして「SVT」。
音の輪郭をはっきりさせるAmpeg SVTシリーズはいわば僕のアイデンティティ。
ここでもTREBLEをかなり盛ったセッティングになっています。
とにかくアップライトベース特有のギャリギャリ感とバチバチ感を重視!
ここまで高音域を盛ったセッティングでも、RECした音はかなり落ち着いた雰囲気で仕上がっていたけどネ…!
本当はイコライザをプラスに盛るのはあんまり良くない傾向なんですけども。
今回は何度試してもプラス志向のほうがアップライトベースらしい膨よかなサウンドになったので、こんなセッティングを採用しています。
2ページ目。
こちらもLevelを抑えてGainをあげる設定です。
EUBの音作りはGainの数値が本当に重要です…!
YAMAHA SLB200の音作り
こちらはSLB200本体のEQ。
基本はフルテン運用な本体ですが、今回は少しだけVOLUMEとBASSを削ったセッティングに。
フルテンだと低音が膨らみすぎて楽曲と合わせたときに音像が曇ってしまうので、今回は絞り気味にしてあります!
アップライトベースの音作り まとめ
- MS-60Bで完結
- TREBLE盛り盛り!
- GAIN微調整!
また「原音重視のエフェクターで固める」というのも、アップライトベースの音作りでは重要であると感じました。
ヘタにキャラクター性の強いプリアンプを噛ませると、SLB200の持ち味を潰して「エレキベース臭」が全面にあらわれてしまいます。
SLB200の素の音があまりに良過ぎるので、それを殺さないように原音重視のエフェクターたちを採用しました…!
エレキアップライトベース。
音作りの研究だけでも無限に楽しめそうですね…!