バーのマスターに学ぶセッションベーシストの緩急のつけ方講座

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こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
皆さんは、こんな言葉を知っていますか。
「……あるよ。」

元ネタはドラマ「HERO」
主人公たちの行きつけのバー《St.George’s Tavern》のマスターのお決まり台詞です。
田中要次さん演じるバーのマスターに
「◯◯◯なんて無いですよね〜…?」
ときいてみると、

「……あるよ。」
と渋い声で一言答えて、何でもカウンターの奥から出してきてくれます。
普通のバーには似つかわしくない「納豆付き鮭定食」や「お好み焼き」「梅がゆ」、終いには「通販の日焼け止め」から「胃薬」まで。
彼の店に無いものなど無いのです。

今回の記事では、そんなバーのマスターから学ぶベーシストの心得についてお話してみたいと思います。

やらないよ

度々このブログでもお話しているのですが、
「できるけどやらない」「できないからやらない」では、そのスタイルに現れる余裕が全然違います。

できるよ

例えば、普段は3コードのブルースしか弾かない地味な奴
「スラップできますか!」
「……できるよ」
「メタル弾けますか!?」
「……弾けるよ」


こんなんカッコいいに決まってますやん。
「実は知っている」
「実は出来る」
それってものすごく強い武器になるんです。
どんなことにも、雑食なのって大切!
「俺はロック一筋だぜYEAH!!」
なんてスタイルも悪くと思うんですけど。
ちょっと視点を変えて他のジャンルの隠し武器を用意しておくと、ますますロックなプレイヤーになれたりします。

実例だよ

例えばジャズのセッションだと、同じコード進行で何廻しもソロを取り続けることになります。
「いくぜ、俺のターン!
 最初からクライマックスだぜ!」
なんて、いきなり手の内全開で挑んでは息切れしてしまいます。
緩急がつけられないプレイは、当然聴き手にも飽きられてしまうんです。

ここで一つ、大切な掟をお教えしましょう。
ぶっ込むのは、求められてから。
いいですか。
大切なのは焦らしプレイです。
攻めるのは、欲しがられてからです。

やるよ

自分がソロを取る番が回ってきました。

最初は音数を絞って、味気ないコードトーンから始めます。
少し経過音やテンションの音を混ぜて色気を出し。
ちょっとずつ《焦らしプレイ》場の空気を自分のものにしていきます。

そして
「他にはないの?」
このタイミングです。

誰かがこう思った瞬間に
「……あるよ。」
一気に力強い変化球で周りを魅せてやりましょう。
最後のII-V-Iなんかでオシャレなオルタードフレーズとかをぶつけてやると効果的ですね!

まとめだよ

マスターが、始めからメニューに書いてたらかっこよくないと思いませんか。
奥からサラッと隠し球が出てくるからかっこいいんです。

そういうことなんです。
演奏も一緒です。
手の内は少しずつチラ見せしながら。
技術を自慢したい気持ちも分かるけど、飛ばしすぎないで。
引くとこは引いて、押すとこは押す。
それができるのが、一流のプレイヤーです!

おまけ: 遊戯王から学ぶ一流ミュージシャンの心得

一流ミュージシャンの心得
デュエルキングの称号を持つ和明さんが、
いきなりフルスロットルな戦闘(演奏)は美しくありません!
ということを、決闘者《デュエリスト》目線でお話している記事です!
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