こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
今回のテーマはこちら!
Theme
「ダイアトニックコードから曲のキーを分析してみよう!」
Conclusion
楽曲の中に登場するコードから逆算して、曲のキーを判断することができます!
「超重要!ダイアトニックコードを理解しよう」の記事で勉強したダイアトニックコードを使って、楽曲のKeyを分析する方法を紹介します。
楽曲のキーを割り出せるようになると
- 使えるスケールが判断できるようになる
- 即興で合わせられるようになる
- コードの予測がしやすくなる
- 耳コピの効率があがる
などなど、音楽の幅を広げられるメリットがたくさんあります!
一緒に勉強してみましょう!
ダイアトニックコードを使って曲のキーの判別をしてみよう
こちらはディグリーネームで表記されたダイアトニックコードです。
実戦では、これが――
こんな感じで、実音表記になって曲の中に散りばめられています。
それでですね。
ダイアトニックコード上のI度にあたる音が、その楽曲のキーの音になるんですけども。
Q.この中でI度ってどの音でしょう。
楽曲のKeyを割り出すためには、どれがI度のコードなのかを分析する必要があります。
逆に言えば、I度のコードを見つける方法さえ知っていれば一瞬で曲のキーを判断できるということになります!
ダイアトニックコードの法則
まずはダイアトニックコードの法則から確認していきましょう。
これがI度の音を割り出すためのヒントになります。
- メジャー系のコードはⅠ度, Ⅳ度, Ⅴ度の3つだけ
- メジャー系コードが全音の関係で隣り合っている部分はⅣ度, Ⅴ度だけ
- 7thコードはⅤ度だけ
- マイナーコードが全音の関係で隣り合っている部分Ⅱ度, Ⅲ度だけ
- m7(b5)コードはⅦ度だけ
などなど。
ダイアトニックコードには、I度の音を判断するための法則がたくさんあります。
この法則をコード進行に当てはめることで、キーを特定することができます!
とくに指標にしやすいのは、この2つのコード。
◯△7や◯m7という形のコードは複数あるのに対して、◯7、◯m7(♭5)という形のコードはダイアトニックコードの中に1つずつしかありません。
つまり――
・7thコードの5度下のコード
・m7(♭5)コードの半音上のコード
が、I度になる可能性が高い音程ということになります。
この2つだけなら覚えられそう!
指板上の音名の位置と当てはめて考えると、より明確に理解できると思います!
コード進行からキーを分析する方法
例えば、こちらのコード進行。
7thコードはKeyのⅤ度の音。
メジャー系のCとDは全音の関係→IV度とV度。
という点から逆算すると、Key=Gの楽曲だということがわかります。
Cが4番目、Dが5番目にくるのは、Gのダイアトニックコードですね!
マイナーコードであるDm7とEm7が全音の関係→Ⅱ度とⅢ度。
という部分から逆算すると、これはKey=Cのコード進行ということになります。
Dが2番目、Eが3番目にくるのは、Cのダイアトニックコードです!
実際に曲のキーを分析してみよう
ここまでの知識を使って、この曲のKeyを分析してみましょう!
え。まじですか。
このヒントをもとに、判断してみてください!
- メジャー系のコードはD△7, G△7, A7の3つ。
- 全音の関係で隣り合ったメジャー系のコードはGとAのみ。
- 全音の関係で隣り合ったマイナーのコードはEm7とF#m7のみ。
- 7thコードはA7のみ。
- m7(♭5)コードはC#m7(♭5)のみ。
これらの条件から逆算すると、Key=Dが正解になります!
指板を使って視覚的に確認するとこんな感じ。
Check
もちろん例外も多々あります。
むしろ音楽の世界は例外だらけです。
m7(♭5)のコードが出てこない曲も山ほどあるし、逆に7thコードがいくつも出てくる楽曲もあります。
3コードブルースでは、I度もIV度もV度も全部7thの形になります。
他にも、途中まで◯m7の形で登場していたコードが突然◯7 の形になって現れたり。
「I度のコードが登場しない曲」なんていうのも存在します。
コード進行からキーを判断するときは、あくまで目安のひとつとして考えましょう!
キー分析の練習問題
Key分析の例題を2つ用意してみました。
興味のある方は勉強がてら挑戦してみてください!
(※解答はこの項目の一番下)
[解答]
例題:1 ) Key=C
例題:2 ) Key=E
楽曲のキーを調べる方法
「【楽曲のキーを調べる方法】楽譜がなくても5秒で解析!」の記事では、コード進行が分からなくても楽曲のKeyを分析できる方法を紹介しています。
- 耳コピで導き出す方法
- 調号から判断する方法
合わせて参考にしてみてください!
まとめ
ダイアトニックコードの法則性からキーを逆算する方法について解説しました。
先でも説明しましたが、音楽の世界は例外だらけです。
ノンダイアトニックコード(ダイアトニックコード以外のコード)が混入してくる場合も山ほどあります。
最初のうちは、
「だいたい当てはまるから、おそらくこのキーでしょ!」
くらいの気持ちで分析していくことをオススメします!
メロディに使用されているスケールなど、他にも楽曲のキーを判断するヒントはたくさんあります!
BASS NOTEで解説している音楽理論をもっともっと勉強していくと、ノンダイアトニックコードが出てきた場合にも正確にKeyを導き出すことができるようになってきます。
必要になったときには、ぜひぜひ「カテゴリ: 音楽理論」で勉強してみてください!
【追加課題】実際に楽曲を分析してみましょう!
「ヨドバシカメラの歌を分析してみよう!」という記事を投稿しました。
今回のダイアトニックコードに関する知識があれば、十分に理解できる内容だと思います!
ぜひ挑戦してみてください!