こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
Question
「ベースでエフェクターを繋ぐ順番を教えて下さい」
アウトボードのコンパクトエフェクターを買い揃えたは良いものの、いざエフェクターボードを組もうと思った時に繋ぐ順番を迷ってしまうことは非常に多いと思います。
先に結論から書くと
自分の欲しい音が出ているなら、どんな繋ぎ方でもOK!というのが実際のところの定説なのではありますが、
やはり「最低限のテンプレート」みたいなものは存在します。
「綺麗にエフェクターの効果が出やすい鉄板の並べ方」みたいな感じですね!
今回の記事では、エフェクターを繋げる順番についてお話してみたいと思います。
ベースのエフェクターを繋げる順番
まずは王道の繋ぎ方から見ていきましょう。
【無加工系】
①チューナー
【補正系】
②コンプレッサー
③イコライザー
④ピッチ系
【加工系】
⑤歪み系
⑥モジュレーション系
【空間系】
⑦ディレイ系
⑧リバーヴ系
①チューナー
【補正系】
②コンプレッサー
③イコライザー
④ピッチ系
【加工系】
⑤歪み系
⑥モジュレーション系
【空間系】
⑦ディレイ系
⑧リバーヴ系
無加工系
1.チューナー
一切加工されていない綺麗な音の状態でチューニングを行えるように、チューナーは1番手前に配置するのが鉄則です。
チューナーアウトを搭載したペダルをベース直下に置く場合には、そこから繋げてもいいでしょう。
ノイズ対策や音痩せ防止などでバッファーアンプなどを差し込む場合には、チューナーより更に前に配置します。
まずは加工色がゼロに近いものから!
補正系
2.コンプレッサー
早い段階で信号を整地することで、その後に繋げるエフェクターの乗りを良くします。
厳密には少し違うんですけど(笑)
感覚的には、そんな感じですね!
3.イコライザー
コンプレッサーで安定した信号を、イコライザーで補正するような配置です。
イコライザーは基本的には順不同で、繋ぐ順番によって様々な効果を発揮します。
歪み系の後ろに繋げば歪み具合を、空間系の前に繋げば残響のくもり具合を調整することができます。
クリーンな音を補正して「EQもベースの一部!」として扱う場合には、他のペダルで音を加工する前に配置します。
4.ピッチ系
ピッチシフターやオクターバーなどを噛ませる場合には、加工系のエフェクターよりも手前に配置します。
ワーミー系なんかもこの辺りですね。
理由は次の「歪み系」の項目で、合わせて説明します!
加工系
5.歪み系
原音を補正するタイプのエフェクターを配置し終わったら、次に加工系のエフェクターを並べていきます。
まずは王道の歪み系から配置していきます。
【ピッチ系→歪み系で繋ぐ理由】 歪み系は信号に含まれる倍音を増幅させます。
その倍音のピッチシフターが拾ってしまうと、正しくピッチ操作の機能が働かなくなってしまうんですね。 という電気的な原理から、歪み系のエフェクターはピッチ系より後ろに接続することをオススメします!
コンプレッサーなんかも同様に、歪み系の後ろだと正しく動作しない場合があります。
歪みペダルは、補正系の後ろに配置しましょう!
6.モジュレーション系
コーラスなどのモジュレーション系のエフェクターもこの辺り。
歪み系とモジュレーション系を共存させることは少ないと思うので、
音を加工する系は、音を補正する系の後ろということで覚えておきましょう!
きちんと補正系で芯になる音を作ってから、加工していくイメージですね。
コンプレッサーを通した後だと、モジュレーション系は特に綺麗にかかります!
空間系
7.ディレイ・リバーヴ
加工系の処理が終わったら、ディレイやリバーヴなどの空間系のエフェクターを配置します。
他のエフェクトが乗った状態で、音を反響させるためです。
空間系のあとに歪み系のエフェクターを配置すると跳ね返ってくる音や広がった残響音を歪ませることになるので、音が濁りエグいサウンドになります。 もちろん、そのような狂気のサウンドが好みの方も必ずいらっしゃると思うので「自分が欲しい音が出ればOK!」という冒頭の定説につながるわけです。
通常の使用では、ボードの後半に配置するのが基本ですね!
その他のエフェクターを繋ぐ順番
ボリュームペダル
ボリュームペダルは【最前】または【最後】。
ボリュームペダルは、繋げる位置によって効果が大きく変わります。
自分のプレイスタイルに合わせて配置してみましょう。
- 最前に繋ぐと、ボリュームと同時に歪み量をコントロールするスイッチとして使えるようになります。
- 最後につなぐとマスターボリュームとして純粋なボリュームの操作を行えるようになります。
ボリュームペダルは
- 最前につなぐ用のハイインピーダンスモデル
- エフェクターの後ろに繋ぐ用のローインピーダンスモデル
間違ったモデルを購入すると、極度の音痩せやノイズなどの原因になってしまいます。
▶︎DIの役割とは?ダイレクトボックスとインピーダンスについて
プリアンプ・アンプシミュレーター
みんな大好きなSANSAMPのベードラやMXRのBASS DIなどは、必要な効果によって繋ぎ方を変えます。
例えば。
EQとして使っている場合や、キャラクターを重視したプリアンプとして組み込んでいる場合には補正系の枠に繋ぎます。
GAINを上げて歪みペダルとして使用している場合には歪み系の枠に入れます。
純粋なアンプシミュレーターとして使う場合には、空間系の前後に差し込みます。
キャラクター性の強いプリアンプを使う場合には、EQの手前あたりに繋ぐと扱いやすいです!
加工系のペダルの後に繋げると、他のエフェクターのキャラクターを殺してしまう場合があります。
まとめ
【無加工系】
①チューナー
【補正系】
②コンプレッサー
③イコライザー
④ピッチ系
【加工系】
⑤歪み系
⑥モジュレーション系
【空間系】
⑦ディレイ系
⑧リバーヴ系
①チューナー
【補正系】
②コンプレッサー
③イコライザー
④ピッチ系
【加工系】
⑤歪み系
⑥モジュレーション系
【空間系】
⑦ディレイ系
⑧リバーヴ系
エフェクターの個数が増えてくると、全てを直列でつながないようにループスイッチャーを導入したりセンド端子を駆使したりする必要がでてきます。
試行錯誤を繰り返して、自分だけの最強のエフェクターボードを組み上げましょう!
ループスイッチャーについて
エフェクターの直列繋ぎは信号の劣化やノイズ増幅の原因になってしまいます…!
ループスイッチャーがあれば、そんな劣悪な演奏環境とはさようなら!
ギター・マガジン書籍編集部 リットーミュージック 2015-07-28