こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
問い合わせフォームからの質問です。
Question
「地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズなどの早弾きを練習するときに、ベースの弦高は低めのほうがいいのでしょうか」
ある種のベーシストの登竜門、地獄のメカニカル・トレーニング。
複雑な運指のフレーズが多いので、ベースのセッティングを最適化して少しでも弾きやすくしておきたいところですよね。
今回の記事では、早弾きと弦高の関係についてお話してみたいと思います。
早弾きのときには弦高を下げたほうがいい?
プレイヤー自身の- 体格(筋力や指の長さ)
- 力加減やクセ
- フォーム
- ジャンル
- 音作りの傾向
他にも、楽器自体の
- スケール
- チューニング
- 弦のゲージ
- フレットのサイズ
- 指板のR
- ブリッジのタイプ
ベースの弦高はいろんな要因が絡むお話なので、一概に何が良いとは言えないんですけども。
結論から書くと、早弾きに関しては
「弦高に左右される要素はあまり大きくない」というのが一般的な定説になります。
「フレーズが早すぎて指が追いつかない…」ということであれば、楽器の調整よりも左手の指の浮き具合や脱力具合を見直してみると良いかもしれません。
あえて弦高を高めにセッティングする
「早弾きだからこそ、音の輪郭をはっきりさせるために弦高は高めにしています!」という方もたくさんいらっしゃいます。
ギターの場合だと、弦高をギリギリまで下げても歪ませた音色で比較的誤魔化したりもできるんですけど。
倍音に敏感なベースの場合は、弦のテンションは可能な限り維持しておきたいところです。
ということで、裏を返すと指が引っかかってしまうような高さでもない限りは、弦高の高さはそこまで下げなくても問題ないのではないかなと思います。
ベースの弦高を下げたほうがいい場合も
世界的なテクニカル系のベーシスト、ヴィクター・ウッテン氏は
「演奏性のために弦高をベタベタに下げて音を犠牲にしている」というようなことを語っています。
タッピングを多用するようなテクニカルな早弾きになってくると、弦高を低めにセッティングしたほうが弾きやすいのは間違いないようです。
この辺りは自身のプレイスタイルと相談しながら、折り合いをつけてみましょう。
平均的な弦高の高さについて
一般的な調整だと、- 4弦で2.5mm前後
- 1弦で2.0mm前後
参考にしてみて下さい。
まとめ
- 弦高を下げても早弾きができるようになる訳ではない
- 弦高の適正はプレイヤー次第
- 弦高よりも演奏フォームのほうが重要
僕と同じ北海道旭川市出身の世界的ベーシスト、BOHさんもこんなツイートをしています。
ベースの弦高に関しては、同じベースを弾いても意見が分かれるような曖昧な世界です。
楽器のセッティングに関する話って本当に難しいんですよね…。
試行錯誤を繰り返して、自分にとってのベストなセッティングを見つけていただけたらなと思います。