こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
お問い合わせフォームからの質問です。
Question
「ベースを弾くときに、左手の親指の付け根が痛くなってしまいます」
とってもあるあるなお悩みですね!
とくに楽器を始めたばかりの方に多い悩みです。
結論からいうと、その痛みの原因はずばり左手親指の脱力不足にあります。
本来、弦楽器の演奏は羽根が舞うように軽やかな力加減で行うのが理想です。
ぎゅっと左手全体に力を入れてネックを挟み込むように構えてしまっているせいで、痛みが出てしまうんですね。
ベースの演奏は、思っているよりも遥かに身体に負荷がかかる動作なんです。
また左手の親指の脱力が上手にできていないと、運指全体が重くなってしまうためテンポの速いフレーズに対応できなくなってしまいます。
そんな親指の力みすぎ状態を解決するため、いくつかの視点から練習方法を紹介させていただきたいと思います。
左手親指の痛みについて
原因は親指が力んでしまっている状態
この「親指脱力不足」を引き起こす最大の原因はフォームにあります。
とくに多いのが、親指を突っ張って親指柄からの力で押弦してしまっている場合です。
試しに、上の写真のように親指にグッと力を入れて反らせてみてください。
他の4本の指の動きが鈍くなるのが分かると思います。
これは人間の筋肉の構造上の関係で、親指のユニットに力がかかると他の指も釣られて力んでしまうためです。
この状態で運指を続けると、親指が腱鞘炎になってしまうことも!
そんな状態を解決するためにオススメなのが
親指は添えるだけを徹底する練習です。
ついでに、親指に負荷がかからないフォームも習得しちゃいましょう!
左手の親指の脱力方法
親指の角度について
ネック裏の親指は、激しくフレットを上下するようなフレーズでもない限りは常に縦に当たっていることを意識しましょう。
親指を横向きに構えると、他の4本の指の自由を奪ってしまううえに、手首に大きな負担がかかります。
ポジション移動などで親指が一瞬親指が横を向くことも多々あると思います。
その状態を長時間維持させないようにしてみましょう!
指板側の指の位置に合わせて、親指も縦向きのフォームを維持したまま移動していく感覚が理想です。
▶ベースで5フレット間隔のフレーズに対応するための基礎練習
立体で見ると、こんな感じ。
「たまごの形」で親指でアーチを描くようなフォームを意識すると無駄な力が入りにくくなります。
親指全体が反ってしまわないようにしましょう。
基本的な指の開き方なんかに関する解説は 「【演奏フォーム】エレキベースを構える角度についてのお話」の記事を参考にしてみてください。
押弦のコツについて
親指側からネックを固定しようとすると、当然力みやすくなってしまいます。
なので。
押弦のときは、ネックを手前に弾くような力のベクトルを意識します。
体と指板側の指の圧力で押弦し、親指はあくまで添えるだけ。
欲を言えば、親指を離していても演奏できちゃうぐらいの感覚が理想です。
左手の親指を脱力するトレーニング
僕が専門学校に入りたての頃に、プロのベーシストの先生に叩き込まれた基礎練習です。
ネック裏から親指を浮かせた状態で、運指練習を行います。
「親指なんかなくても弾けるぜ!」という感覚を覚えるための荒療治ですね(笑)
ネック裏の親指を使ったミュートなどの奏法もあるので、普段の演奏の際はいつでもネック裏に親指を添えておきましょう!
まとめ
- 左手の親指の痛みの原因は力の入れすぎ
- 親指を反らせない
- 親指は添えるだけ
「脱力」は意識して感覚を身につけることでしか習得できない技術です
もちろん、ある程度はフォームを矯正することで力みを取ることはできるんですけど。
そのままだと一定の角度でしか脱力状態になれないので、どうしても応用が利きにくいんです。
ネック裏の親指のアーチを常に意識して!
親指に頼りすぎないプレイを心がけるようにしましょう!