こんにちは、デバイスコンサルタント経験者 現ベース講師の和明さん(@KAZUAKI_virgiL)です。
これまでに、Androidユーザーさんから「オーディオインターフェイスを購入したんですけど、なんだか上手く動かなくて…」というような問い合わせを何度も頂いてきました。
そこで、今回のテーマはベーシストが使うスマホについて。
「音楽人はAndroidの端末を使うと苦労する問題」を掘り下げてみようと思います。
ミュージシャンは何も考えずにiOS端末を選んでおけば幸せになれるよ!
「スマホで高音質なレコーディングがしたい!」「……けど何か上手くいかない」というような方が対象の内容です。
少なくても、僕の周りにはAndroidの端末をメインに使っている人はほとんどいません。
アクセス解析で調べてみると、なんとBASS NOTEの読者さんの85%がiOSユーザーでした! やっぱり音楽人にはiPhoneが大人気!
これには明確な理由があります。
何故だか分かりますか?
専門的に掘り下げていくと、OSの構造や演算処理の性格、他にもエンジンの仕組みなど詳しく解説することもできるんですけど。
それが分かる人は、そもそも音楽の用途にAndroid端末なんて選ばないと思うんです。
BASS NOTEでは難しいお話は簡略化!
どうしてAndroidのスマホは我々音楽人には不向きなのか。
その理由について分かりやすく説明していきましょう。
Androidの基礎知識
1番分かりやすい実例をひとつ挙げてみましょう。
Roland製のスマートフォン用オーディオミキサー「GO:MIXER」です。
こちらの商品。
公式の仕様上は「Android対応」になっているのですが、よくよく動作環境についてのページを見てみると…
- NEXUS 9 …繋げるだけで使用可能
- Xperia Z5 …機器接続の設定を変更することで使用可能
- Galaxy series …認識できないので使用不可
同じAndroidのスマホでも、機種によって挙動がこんなにも違うんです。
Android端末なのに動作対象外の機種まで…。
原因はOSの断片化
その理由は「OSの断片化」にあります。
例えば。
- SAMSUNGのGalaxyシリーズ
- SONYのXperiaシリーズ
- SHARPのAQUOSシリーズ
- ASUSのZenFoneシリーズ
Androidを搭載した端末って、たくさんあるじゃないですか。
それでね。
いろんな機種のAndroid端末を使ったことがある方なら分かると思うんですけど。
各社のスマホの中身を比べてみると、同じプラットフォームとは思えないほどUIがバラバラなんです。
「前のスマホではここに設定変更の項目があったのに!機種変したら分からなくなった!」なんていう経験、ありませんか?
操作性。
UIデザイン。
標準のブラウザ。
設定の項目や配列。
モノによっては端末のコネクタまで。
一口に「Android」と言っても、その中身は全くの別物なんです。
同じメーカーのスマートフォンでも、型番によって中身は全く違います。
大前提として、Androidは「オープンソースOS」なんです。
かんたんに言うとオープンソースOSとは「誰でも自由にOSをカスタマイズして使えるよ!」という意味合いになります。
上の例で見ると、
SONYさんは「SONYなりのAndroid」を、
SHARPさんは「SHARPなりのAndroid」を作ってスマホに組み込んでいるせいで中身の操作性がバラバラなんですね。
オープンソースであることが「Androidをベースに作られた別の何か」を量産してOSを断片化させてしまった原因です。
Rolandのような周辺機器を作るメーカーは、数ある「Androidをベースに作られた別の何か」に対応するように作らなければいけないんです。
……全部を網羅するなんて無理でしょ!
Androidの中で「この機種なら安定して使えるけど、こっちの機種では動きません!」という格差が生まれるのは、考えてみれば当たり前なことなんです。
だってメーカーが好き勝手に中身を改造してるんだもん!
そりゃ相性問題だって色々出てきますよ!
ベーシストにAndroidが不向きな理由
1.周辺機器問題
まずは、上の項目にもあげた「周辺機器の問題」。
オーディオインターフェイス、ミキサー、外付けのカメラやマイク。
その他のBluetooth機器に至るまで。
「Android対応」と書かれた製品でも、スマホの機種によっては動作しない場合が多数あるんです。
大人気商品IK Multimedia製「iRig 2」でさえ、SONYのXperiaには対応していません。
Xperia Arc, Xperia Neo, Xperia Play R800/R800a, Xperia Ray, Xperia X1, Xperia X2, Xperia X8, Xperia X10, Xperia X10 Mini, Xperia X10 Mini Proなど。
▶IK MULTIMEDIA : iRIG 2のAndroid対応デバイスについて より
iOSについて
かたやiPhoneなら、どの時期のどのモデルだろうと搭載されているのはApple純正のiOSです。
つまり、サードパーティメーカー側も間違いなく動作確認を行うことができるわけです。
「Androidには非対応だけどiPhone/iPadは対応」みたいな商品が多いのは、このためなんですね。
SOUND HOUSEには「iPhone/iPad用オーディオインターフェイス」なんていう専用カテゴリまで用意されています!
「Android用」のページは無いのに!
それだけiOS専用の機種が多い証拠ですね!
誰がどの状況でどんな設定で使っても、iPhoneはiPhone。これがiOS端末が強い理由です。
間違いない動作保証。
そしてiOSという「みんなが同じ環境」だからこそ、ネット上にトラブルの解決策の情報も多いんです。
そして何より、動作が単純明快!
iPhoneならケーブルを一本繋げるだけで100%動作するのに、Androidは中の設定項目を変更してroot化しても動作しないなんていうことも珍しくありません。
root化とは、わかりやすく言うと「不正な改造」のことを指します。当然サポート対象外になります。
簡単に出来るので、興味のある人は試してみてね!
2.ソフトウェア問題
次にソフトウェア問題。
Android端末でDTMをやろうと思うと、まともにトラックデータを扱えるアプリが見つけられません。
有名なものだと「Walk Band」くらいでしょうか。
かたやiOS端末には「GarageBand」が無料で標準搭載されています。
それ1つでCDまで作れちゃうような本格的な作曲アプリです。
iOS版GarageBandの出力ファイルは、なんとプロが使うMac用DAW「Logic Pro X」との互換性もあります。
本気を出そうと思ったら、シェアNo.1のDAW「Cubase」をiOSに移植した「Cubasis」をiPad上で扱うこともできます。
音楽を扱うアプリに関しては、未だにiOSが最強!
弾いてみた動画
「DTM(作曲)なんてやらないから関係ねぇよ!」
という方でも、演奏動画を撮るときに作曲アプリを使うはずです。
レコーディング作業をGarageBandで行うと、トラックの修正ができちゃいます。
つまりミスした箇所だけ録り直したり、後からオケとのバランス調整をしたりすることが可能!!
Apple純正の動画編集アプリ「iMovie」に直接トラックを送り込めるので、動画の撮影もスムーズに行えます!
まさにiOSはクリエイティブ…!
演奏動画を投稿するミュージシャンは、iPhoneを選んでおけば間違いなく高品質な動画を撮影・投稿することができます!
まとめ
- Androidは周辺機器との互換性が不安定
- iOSは動作保証がしっかりしている
- iOSには質の高い音楽編集ソフトが用意されている
現場での楽譜のやり取りなんかにも、その場でワイヤレスでデータを送受信できる「AirDrop機能」がよく使われます。
Android端末を買って不便している人は、次の機種変はiOS端末を検討してみると幸せになれるかも…!