こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
今回のテーマは
Theme
「シールドを自作してみよう」
です。
楽器から伸ばすシールドや、エフェクターボードのパッチケーブル。
既製品を買ってきて使ってもいいんですけど。
売っている商品はいまいちサイズが合わなかったり、ケーブルが固くて使いにくかったり、はたまた欲しいジャックの組み合わせが売ってなかったり。
なにかと不都合が付いて回るものです。
そんな痒いところに手が届くケーブルを自作してしまおう!というのが今回のお話です。
既製品は高くつくしネ。
意外と簡単にできちゃうんですよ!
シールドを自作してみよう!
今回はめちゃくちゃマニアックなやつ。
市販ではまず売っていないような、
6.35mmモノラルフォン(L型オス) – 6.35mmモノラルフォン(メス)
マニアックすぎてリアルにモニター越しに笑うわたし。
— しゅうとく@ライター (@shuutokudayo) 2018年11月14日
ですよね。
オス端子の工程を2回繰り返せばパッチケーブルの自作に応用できるので、ぜひ最後まで見ていってくださいね!
用意するもの
1.必要に応じたプラグ
まずは、シールド用のプラグを購入しましょう。
安いものだと100円以下でも入手できます。
今回はTOMOCA製の「JS-116L」を用意しました。
L字の薄型で、汎用性抜群!
2.好みのシールド
音色の好みに合わせて、自分でシールドを用意します。
メートル売りしているので、自分に必要な長さで注文できます。
▶ベースの音はシールドで変わる?ベース講師が使っているシールド紹介
自作シールドが安上がりになる理由は、この切り売りのシールドの安さにあります!
たとえば、上記のBELDEN 9778。
既成品は5mで¥3,866のところ、切り売りだと¥1620で購入することができます!
とにかく安い!
3.工具セット
- ドライバー
- ニッパー
- はんだごて
記事の内容を見ながら揃えてみてください。
はんだごてはダイソーで買えるモノでも十分です!
自作シールドの作業工程
下準備
まずは購入したプラグを開いておきましょう。
ネジを使用するタイプの場合は、失くさないように気をつけましょう!
次に、シールドを好みの長さに切断します。
…なんですけど、今回は家に余っていたケーブルを生贄素材として使用することにしました。
端から1cmぐらいの所から、シールドの被覆を剥いてみましょう。
フサフサしたシールド(導線)が出てくると思います。
被覆を剥く作業は中学生時代の技術の時間を思い出して!
まずはこのフサフサを分離させて、ねじって横によけてあげましょう。
中から更に導線が出てくるので、5mmくらいの位置から被覆を剥いておきます。
シールドの構造について
はい!それではここで、楽しい楽しい電気工学の時間です!
今姿を見せた導線は、それぞれ
- シールド
- ホット
- コールド
(として扱う)
…めんどくさいですね。
- 【外側のフサフサがシールド】
- 【有色ホットの法則】
有色ホットの法則とは
色がついた被覆の導線(今回は青色)はホットとして扱いましょう!という、とっても有難いお約束事項のことです。
この法則があるからこそ、初見の配線も迷わずに進めていくことができるんですね!
はんだ付け
では、今の知識を活かしてはんだ付けをしてみましょう。Check
この記事では、はんだ付けした部分がわかりやすいように多めにはんだを多めに盛った写真を使用しています。
はんだは盛りすぎると加工の邪魔になるので、必要最低限の少量を流し込むようにしてくださいね!
はんだは盛りすぎると加工の邪魔になるので、必要最低限の少量を流し込むようにしてくださいね!
まずはフサフサのシールド。
「フサフサに軽く染み込ませてまとめてあげる」くらいの感覚で、はんだを流し込みます。
白い被覆の配線(コールド)は、切断してしまう人もいればシールドにくっつけてしまう人もいます。
今回はくっつけてみました。
フサフサのシール度と一緒に、まとめてコールドの線をはんだ付けします。
次に、有色ホット!
青色のホットの導線も、はんだを流し込んで先っぽをまとめてあげます。
簡単ですね!
さて、いよいよ接続です。
真ん中に有色のホットの線を。
外側にはシールドの線を接続します。
プラグは万力などで固定しておくと作業しやすいです!
ホットの線とシールドの線の電導部分が接触してしまわないように注意しましょう!
剥いた導線とプラグの金属は、しっかり接触するようにするのがコツです!
端子側にはんだが乗りにくい場合・はじかれてしまう場合には
- 端子を「これでもか!」ってぐらい温める
- くっつける部分をガリガリ傷つけてみる
- フラックス(はんだ付け促進剤)を塗ってみる
プラグを閉めて、ハイ完成!
ね、簡単でしょ?
激レアなフォン(メス) – L字フォン(オス)のケーブルが完成しました!
ケーブルチェッカーなんかを持っていれば、この段階で確認作業も行っておきましょう。
ワンポイントアドバイス
はんだ付けに不慣れな人は、くっつける前にプラグ側にも一工夫しておきましょう。
プラグの中についている丸い穴に、軽くはんだを乗せておくと作業の難易度が下がります!
乗せたはんだを溶かすだけで導線がくっつきます!
出音の確認
このマニアックなケーブル、魔導書の入力ジャックに使いたかったんです…!
今の状態だと、ベースからのシールドを刺すのが少し窮屈で。
これで滞りなく、スムーズに差し込めます!
ジャックを薄型に変えたので、中のスペースも有効活用できるようになりました!
どうだ!
これが自作ケーブルの力だ!
まとめ
- シールド作りは意外と簡単
もっとこだわって作る場合には、熱収縮チューブで保護したり色々やるんですけど。
今回は使用したケーブルも安物だったので「とりあえず簡単に!」「原理を分かりやすく!」という部分にフォーカスを当てて説明してみました。
シールドの自作は怖くない!ということが伝われば嬉しいです。
足元のエフェクターボードをギチギチに詰めてみたい人!
見栄えまで美しいラックシステムを自宅に組んでみたい人!
ぜひぜひ、自作で自分のためだけのパッチケーブルを作ってみてください!
2019.03.01 追記
今回の記事で制作したものはあくまで「仮の間に合わせ用」だったので、後日BELDENのシールドで実用レベルのものを作り直しました。
【魔導書】自作の専用ケーブルを強化!の記事で、簡単に工程を紹介しています。