こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
今回のテーマは、
「5弦ベースのデメリット」です。
長年4弦ベースを使っていた生徒さんが5弦ベースに持ち替えたので、悩んだことや困ったことをインタビューして分かりやすくまとめてみました。
これから5弦ベースへの乗り換えを検討しているプレイヤーの皆さんに「生の声」をお届けしたいと思います。
5弦ベースに持ち替えるデメリット
【1】5弦ベースは値段が高い
まず、お値段。5弦ベースは、4弦ベースに比べるとお値段が張ります。
本体の値段
例えば、こちら。
Ibanezから発売されている「SR1300-NTF」。
SOUND HOUSEさんで、お値段税込¥125,901です。
同じくIbanezの「SR1305-NTF」。
木材も、コントロールも、電気系統も一緒。
上記のベースの5弦モデルです。
こちらはお値段税込¥149,850となっています。
弦1本で約24,000円の上乗せです。
上乗せ金額は各メーカーそれぞれですが、基本的に5弦ベースのほうがお値段が高くなります!
弦の値段
これはベースに張る弦の値段も同じです。
D’Addarioから発売されている「EXL170」。
45-100でお値段税込¥2,106。
上記のベース弦に5弦用を追加したセット「EXL170-5」。
こちらはお値段税込¥2,937。
low-B弦1本で約800円の上乗せになっています。
5弦ベースをお迎えするときには、お財布事情との相談を忘れずに!
1回の購入では小さな差ですが、長期間の維持費として考えると出費の差は大きく開くことに…!
【2】5弦ベースはネックが太い
弦の本数が多いので、当然4弦のベースに比べるとネックの幅が広いです。
とくにナロー・ネック(細いネック)に慣れている方や手が小さいプレイヤーには、慣れるまで扱いにくい品になっています。
初めて5弦のモデルを手にすると、想像以上にlow-B弦が遠くて驚くと思います。
ベースを低い位置で構えると、低音弦を弾くときに手首に負荷がかかりやすいので注意です!
【3】5弦ベースは弦の幅が狭い
4弦ベースと比較すると、5弦ベースは弦同士の間が狭いんです。
4弦の感覚で隣の弦をミュートしようとすると、弦が近くて窮屈に感じるはずです。
また、スラップが好きな人は
- サムの指が隣の弦に触れてしまう!
- プルの指が入りにくい!
指に慣れ親しんだ4弦の感覚を拭い去るのは、なかなか大変。
【4】5弦ベースは重量が重い
4弦のベースに慣れている人が5弦ベースを持って最初に思うのは「重い!」ということだと思います。
スタジオで2時間も弾けば、中々の疲労感を感じることができるはずです。
激しく動き回るようなライブをする人は、この重さが文字通りの重圧になることも。
ベーシストの宿命「腰痛」を加速させます…!
COMFORT STRAPP「Pro Bassシリーズ」のような、吊り上げ効果によるベースの重さの軽減機能のあるストラップを使用することである程度負担を軽減できるでしょう。
【5】どこを弾いているか分からなくなる
面白いことに、ベーシストには誰しも低い弦を基準にして演奏する癖があるみたいで。
1弦から4弦は今まで通り演奏すれば良いはずなのに、何故か頭が混乱してしまうんです。
例えば、D弦を押さえたいとき。
本来なら2弦なんですけど、何故か3弦を押さえてしまうシンドロームが発症します。
不思議ですね…!
- 欲しい音が手元に無い…!
- 押さえてる弦と違う弦をピッキングしてしまう!
4弦ベースから持ち替えてから、1番慣れるのに時間がかかるのはこの部分ではないでしょうか。
5弦から4弦に持ち替えたときも、E弦を弾きたいのに3弦を弾いてしまう病気になってしまう方がたくさん居ます。
おまけ: 5弦ベースは反りやすい?
弦の本数が多いと、テンションが強くてネックが反りやすい?
A. そんなことないよ!
うん、これは大丈夫だと思います。
もちろん、木材の個体差やメーカーによる差はあるんですけど。
5弦ベースは、それなりのテンションがかかることを前提に製作されています。
弦5本の負荷に耐えられるように、あのゴツくて幅の広いネックが採用されているんです。
よっぽど大雑把な管理をしない限りは、4弦のベースと同じような感覚で扱えます。
ハズレの個体に当たってしまったら、4弦のベースでもぐにゃぐにゃにネックが動いちゃいますからネ。
まとめ
弦が多いことが最大のデメリット!
弦が多いから弦を弾き間違えるし。
弦が多いからミュートも技術も必要だし。
弦が多いからメンテナンスの手間も増えます。
慣れちゃえば克服できるデメリットばかりなんですけどネ。
5弦ベースには、5弦ベースにしか出せない魅力があります。
何かを得るためには何かを失う必要があるんです。
「4弦から5弦に持ち替えると、最初は違和感との戦いだよ!」というお話でした。