こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
Question
「オススメのフラットワウンド弦があれば教えてください。」
使っている人が非常に少なく、なかなか情報の少ないベースのフラットワウンド弦。
普通のラウンドワウンド弦と比べるとお値段も高いので、気軽に試すのも難しいんですよね。
▶︎フラットワウンド弦とラウンドワウンド弦の違いについて
筆者が普段仕事で使っているベースには、D’Addario製のフラットワウンド弦のECB80が張られています。
何かお役に立てる情報が提供できると良いのですが…。
今回の記事では、D’Addario ECB80についてお話してみたいと思います。
D’Addario ECB80
天下のダダリオ製のフラットワウンド弦ECB80です。
ゲージは.40-.95のスーパーライトゲージになります。
一般的にフラットワウンド弦はテンションが強いと言われているので、楽器への負担を考慮してレギュラーゲージよりも1ランク細いものを選んで使っています。
ちなみにECB80はロングスケール用の弦です。
通常の34インチのベースには問題なく余裕を持って張ることができます。
ボールエンドの配色は他のダダリオ弦と同じです。
- E弦…金
- A弦…赤
- D弦…黒
- G弦…緑
弦の飾り糸は青色。
ギラギラと光を反射するような青ではないので、不快に目立つようなことはありません。
オシャレで「通な人」っぽく見られます(笑)
ECB80のテンションに関して
まずは張ったときのテンションに関して。
ECB80はゲージの細いモデルなのでそこまで楽器に負荷はかからないような印象です。
「この弦を張ったせいでネックが反りました!」なんていうコトは、今までありません。
非常に安定しています。
確かにラウンドワウンド弦と比べると少々重い感覚ですが、正しい張り方をしていればそこまで気になるほどではないと思います。
弾き心地も、指への負担はほとんどラウンドワウンド弦のときと変わりまりません。
触り心地に関して
表面の肌触りは、iPhoneのLighteningケーブルの手触りによく似ている気がします(笑)
撫でたときの滑らない具合とか、絶妙なヌルヌル具合というか。
某エ○クサー社のコーティング弦のような違和感はありません。
表面がフラットなので、慣れないうちは不思議な感覚に陥ると思うんですけど。
弾き続けていると、フラットワウンド弦のクセみたいなものが見えてきて適応できると思います。
実際の演奏
僕の愛機G&L L-2000は、とにかくハイパワーで。
それ故に、どんなに丁寧に弾いていてもバチバチと弦のアタック音を敏感に拾ってしまうのが気になっていたポイントでした。
▶︎【G&L】現役ベース講師によるL-2000徹底解説
ECB80を張った瞬間に、その悩みは解決!
お上品でエロくて、純粋な芯のある低音だけが前に出てくるようになりました。
機材のイコライザの設定などは変えていません。
もう、これだけでフラットワウンド弦に張り替えた価値がありました。
本当に素晴らしいです。
音の立ち上がりに関して
音の立ち上がりは、やはりラウンドワウンド弦に比べると瞬発性はありません。
ただ、これはあくまでラウンドワウンド弦と同じ感覚で弾いた場合の話で。
指先の使い方でいくらでも融通が効く、というのが僕の印象です。
少なくても、ファンキーな楽曲を弾いていても
「うわっ、おっせぇw」みたいな感想は抱きませんでした。
演奏中に大きく気になったのは、スライド・グリッサンドに関して。
ラウンド ワウンド弦ほど敏感に反応してくれません。
微妙なニュアンスはつけにくいかな、という感想です。
抑揚をつけたい場合には、少し大げさにスライドしてやる必要があります。
逆に、倍音・共鳴にはとっても敏感です。
きっちり余計な弦をミュートして弾いてあげないと、ぼわーんと尾を引いた音になる場合があります。
いずれもフラットワウンド弦特有のクセなので、上手に弾きこなしてあげたいポイントでもあります。
まとめ
弦のねじれもなく、品質も良好。
さすがは天下のダダリオさんです。
フラットワウンド弦らしい落ち着いたサウンド。
バランスよくハイフレットの音もちゃんと鳴ってくれるし、重厚感のあるスラップもできます。
特に、これからラウンドワウンド弦からフラットワウンド弦への乗り換えを検討している方には非常にとっつきやすい弦なのではないでしょうか。
D’Addario ECB80、オススメです!