こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
生徒さんからの質問です。
Question
「スラップのとき、サムアップが上手くできません。」
Answer
親指に力を入れ過ぎて手首の動作が不自由になっていませんか? また、指が奥まで入り過ぎていませんか? 確認してみてください!
高速スラップに欠かせないサムアップについてです。
ギターのピッキングでも、ヴァイオリンのボウイングにしても、「アップ」って「ダウン」よりも難しいんですよね。
ベースのサムアップも例外なく、最初は難しいと難しいと思います。
でも大丈夫!
正しい知識と練習メニューがあれば、誰でも必ずマスターできる基本技のひとつです。
今回の記事では、スラップのサムアップの弾き方と練習方法について解説していきます。
スラップのサムアップを綺麗に鳴らすコツ
サムアップについて
通常「サムピング」と言えば、上から下に親指を振り下ろすサムダウンを指します。
これに対して、弦を親指の爪で引っ掛けながら下から上に跳ね上げる奏法のことをサムアップと呼びます。
サムダウンだけでは間に合わないような「高速なサムピングが連続したフレーズ」などを弾くときには、一振りで二音出すことができるサムアップが有効です!
ピックのダウンピッキングとアップピッキングのような関係です!
3弦をサムアップする様子です。
サムダウンで下の弦(2弦)に着地した状態から――
下から上に向かって3弦をはじきます。
しっかりと爪に乗せて弦を引っ掛けるのがポイントです!
サムアップのコツ
ピッキングの指の深さについて
弦をひっかける指の深さは、親指の爪の1/3くらいが目安。
深くても1/2くらいですね。
爪を半分以上入れてしまうと、弦のテンションに指が負けてスムーズなピッキングが出来なくなってしまいます。
親指に力を入れすぎない
親指で弾くからと言って、力を入れすぎるのはNG!
僕の場合だと、弦のテンションに負けて指が下がるくらい脱力しています。
サムアップのときの弦の抵抗(引っかかり)を、親指の脱力で受け流しています。
跳ね上げ自体は手首と腕の回転で行なっているので、力不足にはなりません。
「サムアップのとき弦に指が引っかかってスムーズに弾けない」という方は、この親指の脱力が上手にできていないケースが多いです。
親指の力に任せて弦を持ち上げるようなプレイを続けていると、腕がパンパンに張って痛くなってしまうので注意です。
大切なのは手首の回転!
逆に、下記のようなケースではギュッと力を入れて親指を固定することが求められます。
- 指先でピックのような硬い音を再現したいとき。
- 高速な16分音符をサムピングのオルタネイトで刻みたいとき。
- ロータリー+3連プルなど、手のポジションを固定したいとき。
親指が弦のテンションに持っていかれると不都合なタイミングは、感覚的にハッキリ分かるはずです。
演奏するフレーズに応じて、臨機応変に使い分けてみてください!
1弦のサムアップはネックエンド付近で弾く
基本動作はサムダウンと同じように指板の上ですが、1弦を弾く場合は指板より少し下の位置で弾くと演奏しやすいです。
1弦は、少し深めに(1/2くらいまで)指を入れてあげたほうが、安定したピッキングができます!
ベースのサムアップの基礎練習
開放弦をアップダウン12フレットでアップダウンを同じ弦のうえで繰り返す基礎練習です。
12フレットを押さえると右手親指が受け止める弦のテンション(張りの強さ)が変わります。
弦のテンションが変わっても安定してサムピングのオルタネイトができる状態を目指しましょう。
サムアップに慣れないうちは、開放弦で上下するのも難しいと思います。
まずは開放弦でサムアップの力の抜き方を覚えるところから始めましょう!
1本の弦の上でのオルタネイトサムピングに慣れたら、サムダウンサムアップで弦を移動する練習です。
狙った弦でオルタネイトピッキングができるのは、メロディアスなスラップには必須のスキルになります。
サムアップ→サムダウンの流れになれたら、サムアップ→サムダウンにも挑戦してみてください!
うわ、アップが先になった途端に弾けなくなる…。
まとめ
スラップのサムアップについて解説してみました。ひと振りでダウンとアップの2音が出せるサムピングのオルタネイトは、高速なスラップのフレーズを弾くためには欠かせない重要な技のひとつです。
サムアップのコツは、次のふたつ。
- 手首の回転を抑制しないために、親指に力を入れすぎないこと。
- 爪の幅の1/3〜1/2程度を入れて、弦をしっかり引っ掛けること。
最初は弦1本ずつで練習して、慣れてきたら弦移動の練習を始めてみてください。
基礎を制する者はすべてを制す!
まずは地味な練習から始めましょう!
目指せ、バッキバキなスラップ名人!