Twitterからの質問です。
Question
「同じフレット内で隣の弦に移動するときの運指のコツを教えてください」
Answer
1音につき指1本を割り当てるように意識すると、運指がスムーズになります!弦のミュートも忘れずに!
今回のテーマは「異弦同フレット」と呼ばれる運指についてです。
例えば、こんな感じ。
同じフレット上で違う弦に移動するようなフレーズです。
皆さんはどんな運指で演奏しますか?
え、コレ普通に難しくないですか。
異弦同フレットはラテン系やボサノバ系などで多用される運指なので、しっかり抑えておきましょう!
ちなみに余談ですが、異弦同フレットは英語では“same fret – different string”で通じます!
同フレット上で異弦に移動する運指のコツ
まずは異弦同フレットのフレーズを演奏するうえで、覚えておきたい重要な3つのポイントから。- 1音につき指1本を割り当てる
- 必要な場合にはセーハで対応する
- 移動先、移動元の弦をそれぞれしっかりミュートする
「セーハ」って何ですか?
一本の指で同フレット上の複数の弦を同時に押弦することをセーハ(Ceja)と言います!
バレーコードのバレー(Barre)と同じ意味です!
バレーコードのバレー(Barre)と同じ意味です!
2本の指を使う場合
同フレット上で弦を移動するときには、弦1本に対して指1本を割り当てます。2本の指を使って演奏するのが基本のフォームです。
1音目の音が残ったまま2音目を鳴らして音を濁してしまわないように、しっかりミュートしてあげるのが大切です!
check!!
ベースは、弦から指を離すときに余計な音が鳴ってしまう楽器です。
弦を移動するときには、必ず元々押さえていた弦をミュートしながら次の弦を演奏するようにしましょう。
弦を移動するときには、必ず元々押さえていた弦をミュートしながら次の弦を演奏するようにしましょう。
E弦とD弦やA弦とG弦のように、弦をひとつ跨ぐようなフレーズでも1音につき指1本・移動前の音はしっかりミュートという基本動作は変わりません!
1本の指を使う場合
フレーズの都合で指が1本しか使えない場合には、セーハで対応します。例えば、このように他の指が1フレット1フィンガーで出払ってしまうようなクロマチックのフレーズではセーハが有効です。 指1本の場合にも、指の角度を変えて各弦の押弦とミュートを使い分けてみましょう。
指を立てると高音側の弦がミュートされますね!
1本の指で同フレットの異なる弦を鳴らしたりミュートしたり弾き分けるテクニックのことを「ジョイント」と呼びます!
左手でのジョイントが難しいときは、右手の指でミュートをコントロールして対応しましょう!
異弦同フレットの運指の練習フレーズ
薬指と小指を使うパターン
5フレットの中で、違う弦に移動するフレーズです。 薬指→小指(低音→高音)小指→薬指(高音→低音) どちらのパターンも練習することができます!
フレーズ自体は単純なものなので、余計なノイズが鳴っていないか(正しくミュートできているか)自分の出音に集中しながら練習してみてください!
中指と薬指を使うパターン
10フレットの中を移動するフレーズです。中指と薬指を使う練習です。 途中の人 中 人(9-10-9)の部分はハンマリングとプリングで対応してみてください。
この中指は薬指でもいいかも。
Cメジャーのコード・トーンが見えやすい形のフレーズです!
「理論派ベーシスト育成計画」を勉強している方は、コードの度数を追いながら弾いてみましょう!
「理論派ベーシスト育成計画」を勉強している方は、コードの度数を追いながら弾いてみましょう!
セーハを使うパターン
こちらは「1音に指1本」を使えないフレーズ。
僕の大好きなBlue Mitchel氏のI’ll close my eyesの中に登場するフレーズです!
上手にミュートしないとノイズが暴発します。
丁寧に弾ければ左手だけでミュートができるフレーズなので、余計なノイズを発さないように挑戦してみてください!
人差し指の部分(7フレット)はセーハで。
小指の部分(10フレット)は、A弦からD弦に小指をスライドする感じで演奏します。
これが一番無理のない運指ですね。
(10フレットを弾くときに)フォームチェンジが間に合うのであれば、1音に指1本の基本運指で演奏するのが理想です。
前述の1本の指をスライドする奏法は、低音弦→高音弦のときに使える運指になります。
高音弦側から低音弦側に移動するような異弦同フレットのフレーズでは、きちんと2本の指を使用しましょう!
まとめ
「弦楽器は鳴らすことよりも音を止めることのほうが難しい楽器である」
BASS NOTE 高橋和明
異弦同フレットの運指では、1音につき指1本を割り当てるのが基本です!
セーハ中は
- 指の動きが制限されてしまう
- 慣れないと余計なノイズが鳴りやすい
演奏するフレーズに合わせて、奏法も上手に使い分けていきましょう!