
こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
Twitterからの質問です。
Question
「テンションって何ですか?」
Answer
コードに浮遊感や緊張感を持たせるコトができる付加音のことを「テンション」と言います!
9度、11度、13度がテンションノートにあたります。
9度、11度、13度がテンションノートにあたります。
音楽をやっていると、あちこちに出てくるテンション(tension)。
「ハイテンション!」「テンションが低い…」のテンションではありません。
コードに混ぜてあげると、なんだかお洒落な響きになる音のことをテンションと言います。
テンションを使いこなせるようになると、楽曲中の雰囲気を自由に操れるようになります!
ベースの指板の可視化にも必須になる知識です。
今回の記事では、テンションについて解説していきます。
必要な事前知識

【度数について】初心者のための度数の数え方【ディグリーネーム】

【コードの構成について】和音の仕組みを理解しよう
テンションとは
Tension
テンション(tension)とは、直訳で「緊張・不安」のことで
コードの響きに緊張感や不安感をあたえることができる音を意味します。
テンションノートについて

「度数についての考え方」の記事で、
- 2度 → 9度
- 4度 → 11度
- 6度 → 13度
この9度、11度、13度こそが「テンション」にあたる度数になります。

指板とスケールで考えてみると、分かりやすいと思います。
コードトーンとして使用されるのが
1st, 3rd, 5th, 7th
そして、コードトーンに使われなかった残りの
9th, 11th, 13th
の音がテンションノートになります。


Check
【少しだけ専門的な豆知識】
もう少し細かく分析していくと「ダイアトニックの次のコードのトライアド」がテンションになります。 例)
C△7はI△7
Dm7はIIm7 C△7のテンションノートはD, F, A
↓
D, F, AはDmのトライアド
もう少し細かく分析していくと「ダイアトニックの次のコードのトライアド」がテンションになります。 例)
C△7はI△7
Dm7はIIm7 C△7のテンションノートはD, F, A
↓
D, F, AはDmのトライアド
7thはテンションノート?
G7 Fm7
コードトーンに使われなかった音 = テンションというルールに従うなら、トライアド(三和音)視点で考えると7thもテンションノートの仲間ということになります。
理論書によっては
「7th, 9th, 11th, 13thの4種類がテンションノートだよ!」と説明されているものもあります。
頭の片隅にいれておきましょう。

これはプレイヤーの「四和音(7thコード)」の使用頻度による解釈の違いですね。
しかし四和音を日常的に扱っている人から見れば、7thの音は当たり前なコードトーンのひとつになります。
・4和音までがコードトーン
・9th, 11th, 13thがテンション
として定義します!
三和音をメインに扱っている人から見れば、7thコードは異端のテンション。
しかし四和音を日常的に扱っている人から見れば、7thの音は当たり前なコードトーンのひとつになります。
BASS NOTEでは
・4和音までがコードトーン
・9th, 11th, 13thがテンション
として定義します!
テンションコードについて
C7(♭9) Am7(11)
テンションノートが上乗せされたコードのことを「テンション・コード」と言います。
テンションが組み込まれたコードだからテンションコード。まさに読んで字の如しです。

なお、テンションの音は度数で指定・表記されます!
指板の可視化

「指板上のコードトーンの位置を覚える」の記事で、各種コードトーンの位置を可視化できるようになったら、そこににテンションの知識を追加してみましょう。

じゃじゃん。
全てのフレットの度数が可視化されました。
頭の中で常にこの図が展開できるようになれば、オリジナルのベースラインを作ったりセッションでアドリブ演奏をすることに関しては無敵です!

「自由に会話をするような演奏がしてみたい」という人は、この状態で始めてスタートラインになります!
テンションとスケールについて
コード・トーン+テンション・ノート=スケール

「スケールについての基礎知識」の記事でも少しだけ触れていた、
スケールはコードトーンにテンションを重ねたものという考え方についても解説しておきます。

ありとあらゆる場面で応用が利く、とっても重要な考え方になります!

メジャースケールは
メジャー7thコードのコードトーンに
9th, 11th, 13thを上乗せしたもの。

マイナースケールなら
マイナー7thコードのコードトーンに
9th, 11th, ♭13thを足したもの。
これが「コードトーン+テンション=スケール」の基本的な考え方です。

逆算してみると、もっと分かりやすいかもしれません。
CDEFGAB – C,E,G,B = D,F,A
[スケール – コードトーン = テンション]
CDEFGAB – C,E,G,B = D,F,A
残ったD,F,Aがテンションになります!
モードスケールはテンションを重視して弾こう!
ここからはダイアトニックコードやチャーチモードについて理解ができる中級者向けの内容。
例えば、Dのドリアンスケール。

Dm7のコードトーン
Root, m3th, P5th, m7th
ここに、テンションノート
9th, 11th, 13thを足すと
ドリアンスケールの形が完成します。
演奏するときに、コードトーンの音を踏みつつテンションの音を重視しながらフレーズを弾くと「ドリアンらしさ」が強調されてオシャレな響きになります。

中でも13thの音はドリアンの特性音なので、たくさん使ってあげると尚良し!
- フリジアンスケール
m7thのコードトーン+♭9th, 11th, ♭13th - リディアンスケール
△7thのコードトーン+9th, #11th, 13th - ロクリアンスケール
m7th(♭13)のコードトーン+♭9th, 11th, ♭13th

各スケールについて知りたい人はチャーチモードの記事を参照!
まとめ
D7(#11) Cm7(♭13)
コードの表記の中で、音名とは別に度数で書かれている数字がテンションノートです。
度数の概念とコードの仕組みさえ正しく理解していれば、問題ない内容だと思います。
テンションの雰囲気を使いこなして、音楽の世界をより深く掘り下げていきましょう!
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