
こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。
生配信中に頂いた質問です。
2. スケールの形を結合させてみましょう!
これで指板上の視野が広がって、自由度が広がります!
ベースの指板を縦横無尽に駆け回るようなプレイング、カッコよくて憧れちゃいますよね!
じつは「指板上で自由にスケールを弾く」ということ自体はさほど難しい技術ではなくて、正しく段階を追って練習すれば誰でもあっさりと弾けるようになります。
とくに「自由にアドリブ演奏がしてみたい!」という方には、この練習は必須になるので是非挑戦してみてください!
今回の記事では、指板の視野を広げる練習方法についてお話していきます。
「指板の視野が広い」ってどういうこと?
演奏中に広範囲の音を把握できる状態のことを「視野が広い」と言います。

例えば、3弦3フレットのC(ド)に左手の中指を置いた場合。
皆さんはどのくらい指板が見えていますか?
「ドレミを弾いてください!」と言われたら、どんなふうに指を動かしますか?

もっともオーソドックスなのは、この形だと思います。
一番馴染みのあるCメジャースケールの形です。

じゃじゃん。
僕の頭の中では、こんな感じに指板が見えています。
指板上を自由に移動できるのは、単純に音を把握できる範囲(視野)が広いからなんですね。
こんな感じで指板上を把握できるようになるためには、いくつかの練習が必要になります。

正確には、このように指板上のCメジャースケールの形を度数で把握しています!
1. いろいろなスケールの形を覚えよう

まずはいろんな運指でスケールが弾けるようになりましょう!
今回は「ベースでいろいろな形のメジャースケールを弾いてみよう」の記事から、いくつか抜粋して解説します。
この記事ではCのメジャースケールを例にあげて説明します。
メジャースケールならメジャースケールだけに絞って、何種類も運指を練習してみましょう!
例① 中指ルートの形


最初は一番オーソドックスな形です。
全ての基本にして、全ての元凶。
大体のプレイヤーは、最初にこの「4フレット1ブロック」の形を覚えてしまうせいで指板上の視野が狭くなってしまうんですね。
手のポジション移動が少ないので超実戦向きのフォームですが、この形だけ覚えてしまうと視野が4フレット幅にとらわれてしまいがち!
5フレット幅以上を利用するスケールの形を覚えて、指板の視野を広げてみましょう!
例② 小指ルートの形


ルートに小指を置いて、そこから上向きに展開していくフォームです。
ハイフレット側への展開は慣れていても、ローフレット側に広がっていく形になると戸惑う人は多いのではないでしょうか。
ルートから見た2度・5度の位置をしっかり意識しながら弾いてみましょう。
G弦4フレットの△7thの音(B)には人差し指で着地します!
例③ 人差し指ルートの形1


こちらは実戦で使うことは少ない練習用のフォームです。
1度・4度は人差し指から。
離れている3度・6度は小指で押弦します。
離れたフレットにある音を扱う練習にもなりますね!
例④ 人差し指ルートの形2


③の形よりも、更に幅の広がったフォームです。
1度と2度の間、また5度と6度の間は人差し指をスライドさせて演奏します。
このとき、スライド感を出さずに通常の運指と変わらない発音になるように意識してピッキングしてみてください。
自分の得意なポジションへの移動、オクターブをまたいだフレーズの演奏、指板の制御範囲の拡大。
あらゆる面で応用できる有能な運指です。
実戦の中でも多用できるフォームなので、しっかり練習してみましょう。
スケールの融合
指板を縦横無尽に演奏できるようになりための練習方法
この記事の目的は、あくまで指板上の視野を広げることです。
「メジャースケールの形をたくさん覚えました!」
で終わりではありません。
スケールを融合して、指板の視野を拡大していきましょう!
着地先の度数が分かっていれば、そこから複数のスケールの形を複合できるようになるはずです。


じゃじゃん。
こちらは2フレットから8フレットまでを豪快に使ったCメジャースケールです。
一見複雑な指使いですが、やっていることはとっても単純!
いろんな形のスケールを融合させてドレミを弾いているだけです。

分解して見てみると、分かりやすいと思います。
最初のドからレにかけては、前項目②の小指ルートのメジャースケールです。

レからソにかけては、①のオーソドックスな中指ルートのメジャースケールの形になっています。
2度の音(レ)を連結させて、他のスケールの指使いにシフトチェンジしている感覚です!

さらに、ファから高いドまでは③の人差し指ルートのメジャースケールになっています。
このように、頭の中で切り替えられる「運指の分岐の引き出し」を増やしていくことで指板上の視野・自由度が広がってきます。
度数の位置関係をしっかり覚えながら、スケールを融合してみてください。
いろんなスケールの形を頭の中で複合できると、それだけ指の着地先がたくさん見えてきます!
度数の考え方について
スムーズにスケールの形をつなげていくためには、音度による考え方が必須になります。
度数で指板が見られるようになれば、音名で覚えるよりも高速かつ正確に次の音を探し出すことができます!

「初心者のための度数の数え方」の記事でその基礎の部分を解説しているので、必要な方は合わせて参考にしてみてください。
ベースの指板を自由に上下するための訓練

「次はどこのFに飛ぼうかな?」
ということを考えながら、いろんな運指を反復練習してみましょう!
- いろんな運指でスケールを弾けるようになる。
- 身につけた運指を融合させると視野が広がる。
- 融合させるには度数が分かると便利。
フタを開けてみれば、指板を縦横無尽に駆け巡るのは難しいことではありません!
兎にも角にも、大切なのは試行錯誤と反復練習!
最初はゆっくりポジションを考えながら練習してみましょう!