【不協和音】ベーシストのためのアボイドノート解説

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アボイドノートについて
こんにちは、ベース講師の高橋和明(@KAZUAKI_virgiL)です。

生徒さんからの質問です。

Question

「アボイドノートってなんですか?」

Answer

一般的には「使わないほうがいい音」だけど、別に気にしなくていいよ!!
不協和音と聞くと「使っちゃダメな音」という印象を持たれがちですが、それは大きな誤解です!

正しい知識をもって、上手にアボイドノートを操っていきましょう!

アボイドノートについて

アボイドノートとは

不協和音の例
はじめに、この音を聞いてみてください。
「ベースの音あってなくね??」という印象を受けると思います。
これはベースがアボイドノートを弾いているせいです。

アボイド(avoid)には
「避ける」「近づかない」

というような意味合いがあります。

ヘタに使うと、先ほどの例のようにコードの音とぶつかって不協和音を生み出し
  • ハーモニーに合ってない感
  • 間違って弾いてる感
を与えてしまう音のことをアボイドノートといいます。

不協和音を生まないように「避けたほうが無難な音」ということでアボイドノートと呼ばれているんですね。
和明さん
「コードの響きを濁らせる効果のある音」みたいなイメージですね!

アボイドノート=使用禁止ではない!

無条件に「アボイドノートは使っちゃいけない!」と思い込んでいる方も多いんですけども。
勘違いしてはいけないのは、アボイドノート = 使用厳禁ではないということ。

というのもですね。
アボイドノートには、
  • 「白玉で使わなきゃセーフ!」
  • 「ノートが裏拍に居るならセーフ!」
  • 「和音に入るのはNGだけど旋律ならセーフ!」
  • 「正しいメロディやコードで解決してあげればセーフ!」
などなど「アボイドを使っていい条件」がいくつもあるんです。

アボイドノートは上手に使ってあげれば全然使ってOKなんですね。

アボイドノートは気にしなくても良い?

……でも、
そんな制約を全部覚えて実践するなんてめんどくさいじゃないですか。
和明さん
いちいち覚えてられるかいッ!
仮に覚えられても、緊張してる本番中にそれを思い出して使えるかいッ!
――なので、僕は生徒さんには
和明さん
アボイドノート?
あぁ、ぜんぜん気にしなくていいよ!!
生徒さん
え、えぇ………
こんな感じで教えています。
実際、プロの演奏者さんたちには「アボイドなんて気にしてないよ!」と仰る方が大勢います。

僕の中での「アボイドノート」は、
  • 使い方を間違えないように使う音
  • 使っちゃいけないところでは避ける音
みたいなイメージなんですね。

仮に変なところにアボイドノートを混ぜても、正直うけつけないほど嫌な音になるわけでもないし。
周りのみんなも気にしないで使ってるし。
和明さん
John Scofield氏のように、アボイドノートを積極的に取り入れていくことをプレイスタイルにしているプレイヤーさんもたくさん居ます。
例えば、このベースの音を単体で聞くと不協和音に感じると思うんですけど。

前後のフレーズの雰囲気次第では、ぜんぜん普通に聞こえますよね。
(2小節目の頭に同じ音を使っています)
むしろ不協和音であることが重要にすら思えてきます。

ファンクやジャズ、フュージョンなどのジャンルでは
「あえて濁った音使いをするところが魅力」
みたいなところもありますよね。

これからアボイドノートに関する詳しい解説を進めていきますが、正直あんまり難しく丁寧に覚える必要はないです!
知識として法則を知っておく程度で十分だと思います!
和明さん
ベーシスト的にはアボイドのゴリ押しはさすがにNGなので、「どの音が何故アボイドノートになるのか」という部分を大雑把に説明していきます!

アボイドノートに関する詳しい解説

ダイアトニックコードには、それぞれ理論的に「アボイドノートになる音」が定められています。
Ⅰ△711th
Ⅱm713th
Ⅲm7♭9th ♭13th
Ⅳ△7なし
Ⅴ711th
Ⅵm7♭13
Ⅶm7(♭5)♭9
…と、一応書き出してみたですけど。
こんなの覚えてられないですよね。
僕も覚えてません。

丸暗記ではなく、法則で覚えちゃいましょう。
【アボイドノートを導き出す法則】

「トライアドの半音上にくるテンションがアボイドノート」
※IIm7だけが例外
この1行だけ覚えておけば100点です!
全部解決です!
和明さん
ついでに「トライアドの半音下の音はアボイドにならない」というのも余力があれば覚えておきましょう!

アボイドノートの具体例

短2度でぶつかる場合

アボイドノート=トライアドの半音上のテンションという法則の具体例です。
指板上のC△7thのコードトーン
分かりやすいようにC△7を例にあげて説明してみましょう。

指板上のC△7thのアボイドノート
指板で見ると、11thの音はM3rdの音と半音関係にあるのが分かると思います。
前述のルールに従うと、M3rd(ミ)と隣り合う11thの音(ファ)がアボイドノートということになります。
和明さん
その中のミと、11thのファが半音関係で隣り合ってしまうのでぶつかってしまうんですね。
アボイドノートの例
半音で隣り合う音を重ねるとどんな響きになるのか、体験してみましょう。
G弦開放の音と、D弦6フレットのG#の音を同時に鳴らしてみると、その不快感がよく分かると思います。
和明さん
G弦開放の音=D弦5フレットの音なので、実質的に隣り合ったフレットの音をぶつけ合う状態を再現できます! ……イヤな響きですよね。
これが、トライアドの半音上のテンション=アボイドノートになる理由です。

コードの機能を阻害してしまう場合

指板上のDm7のアボイドノート
IIm7上では、上記で紹介した「トライアドの半音上にテンションが来る」という音はありません。
ところがどっこい。 
IIm7のコード上では13thがアボイドノートになる
というルールがあります。
和明さん
Key=Cの場合で見ると「Dm7に対してBの音がアボイドノートになる」というお話になります。
その理由は、トライトーンのお話から段階を追って勉強をしておくと簡単に理解できます。
和明さん
トライトーン = 悪魔の音程と呼ばれる最強の不協和音のことでしたね!
▶トライトーンについて
13thの音がアボイドノートになってしまう理由は、
  • IIm7のm3rdの音
  • IIから見た13thの音
この2音がトライトーンの関係になってしまうからなんですね。

「トライトーンについて」の記事では、
コードの中にトライトーンが含まれる=ドミナントの機能を持ってしまう
ということを勉強しました。

本来IIm7はサブドミナントの機能をもつ音なので、ドミナントになってしまうのは大変です。

実際にコードの響きを聞いてみましょう。
II V IのコードのTAB
こちらは定番のサブドミナント→ドミナント→トニックという大円満な進行です。
文句なし、安定感抜群のサウンドですね。
和明さん
Key=CのII-V-I
Dm-G-Cというコード進行です。
II avoid V IのコードのTAB
ここに13thの音を足してみると、前述の通りトライトーンを生成してしまうのでドミナント→ドミナント→トニックという進行になります。

最初のコードの段階で、次のGの「C(トニック)に向かいたい感」のネタバレになってしまっているのが伝わると思います。
コード自体の響きもかなり濁って聞こえますね。
和明さん
コードネームで書くとDdim-G-Cという進行になっています。 100%ダメー!というワケではないのですが、なんか引っかかるような耳障りですよね。
このように「コードの機能を阻害(改変)してしまう音=アボイドノート」になるということも、頭の片隅に入れておきましょう。

あえてアボイドノートを狙っていく技について

ここまでアボイドノートが生み出す不協和音について説明してきましたが、音楽においては
不協和音 = 目立つ音 = 美味しい音
という考え方も忘れてはいけません。

指板上のDドリアンスケールの運指
例えば。
Key=Cの楽曲のDm7の小節上でDのドリアンスケールを演奏する場合。

上の項目で説明したトライトーンの関係になってしまう13度の音こそが、ドリアンの特性音にあたります。
この「不協和音感」こそが「ドリアン感」なんですよね。
ドリアン感を表現したい場面では、積極的にアボイドノートを使っていくことになります。

このように、アボイドノートは狙って使いたいときにはガンガン使っていいんです。
和明さん
音楽には「禁則事項」は存在しないので、使いたい音はどんどん使っていきましょう!

ベーシスト向けのアボイドノートの解説

G&L L-2000の素材写真
――とは言ったものの。

ベースはハーモニーに対して「安定した響きを提供すること」がお仕事な楽器です。

ベースがアボイドノートを連発すると、
バンドメンバー
え、ベースさんがなんか変な音を弾いてる!
生徒さん
待って!
今弾いてる小節のルートがわかんなくなる!
という印象を周りにあたえてしまいます。

これは以前「わざと音をハズす!?ベーシスト専用ウォーキングベースの盛り上げ方」という記事で紹介した内容なのですが、瞬間的に責めた音を使うような技は強力なオシャレ感を誘発するために有効です。

しかし、責めた音(アボイドノート)の連発は、ハーモニーの心地よさを阻害します。

ベーシストの独りよがりは最悪です。
場の空気を読みながら、しっかり周りを支えてあげられるようなベースライン作りを心がけましょう!
和明さん
ベースラインにはアボイドノートを混ぜすぎない!
ベースソロなら自己責任の範囲でいくらでも使ってOK! アボイドノートは場をわきまえて使うことが大切です!

まとめ

アボイドノートは「神経質に避けなきゃいけない音」ではありません。
アボイドの音を混ぜることでしか得られない効果もあります。

ただ、知識として「アボイドノートっていう音があるよ」「トライアドの半音上の音を使うとコードの響きが濁るんだよ」というコトを知っているのが大切なんです。
  • 知っているうえで狙って使っていく。
  • 知らないせいでアボイドを連打しちゃう。
両者では意味合いが全然違ってきますよね。

場合によってはコードの機能まで変化させてしまうアボイドノート。
いろいろ試して、上手な使い方を見つけていきましょう!
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